プレデリアンの名称考えた方、悶死してください

　久々にジャンル大作『AVP2』を観る。
　監督が兄弟監督だからってわかり易く人間側主人公が兄弟という気持ち悪さを除けば、予想外に結構落ち着いて観れる一作になっていた。
　画面が異様に暗くてプレデターが何をしてるか分からないシーンが多数あったが、ま、『エイリアン』一作目を再現したくて失敗したんだろう。あれは見せたい場所にはしっかり照明を当てて、余計な（未来的な装置で飾れない／恐怖醸成の邪魔になる）要素を映さないために暗闇を多用していたのだ。
　この作品を評価できる点を一つ。
　プレデターとハイブリッド・エイリアンが何をしたいのか良くわからないこと。
　前作はクリーチャーの目的が分かりやすく統制が取れており、作り手の語りたい物語を紡ぐために動いているのが明白だったため、鬼気迫る迫力が失われてしまっていたのだ。
　今回はプレデターが敵（ハイブリッド）討ちの途中で人間狩りに興じてみたり、ハイブリッドが思い出したように繁殖行動を繰り出したりと演出上ありえない展開が、却って人智の及ばない敵という印象を生み出している。
　ま、演出の統制を完全に利かした上で怪物としてのエイリアンを魅せてくれたジェームス・キャメロンの神業には遠く及ばないが、ポール・S・アンダーソンの凡才を見せられるよりは。
　音楽、ストーリー、演出に『エイリアン２』リスペクトが繰り返され、やはり意識したのは二作目のようだ。