丑刻ヲ過ギテ

ずっと形にできないでいる熱。 僕という人間を、幼稚園年長以来30数年間支えてきたVHSという存在。 いや、「VHSで観る映画」といったほうがいいか。自分が一番苦しい時期を何度も救ってくれたという点では、親にも増してそれらに恩を受けていると言っていい…

DARK NIGHT of the SCARECROW

お世話になった某監督が試写で観て感心していた『ラスト・エクソシズム』を観る。 現状世界のホラー界で、バイオレンス映画でハンドガンを傾けて構える位やってはいけないと見なされているPOVによるオカルト。 只、撮影者の意識があくまで「霊魂不在」で統一…

No Fear Evil

ジェームス・ウォンの『インシディアス』を観る。 『狼の死刑宣告』の端正な映画力を見てかなり見直した同氏の作品であるが、矢張りこの監督に無指向性の映画愛はない事を確認するだけに終わった。もう、この監督のホラー作品は観ない事に決めた。 一人とし…

Warning Sign

『バイオ・インフェルノ』を観る。 中学生時分、地元藤沢駅の北口バスターミナルに存在した小ビデオレンタルチェーン、「プラザ21」で購入。この店は一階がアニメや邦画を含む一般作品、二階がアダルトという構造。ホラーブーム終焉後だったとは言え、この店…

久々。そして最新監督作品。

川崎ハロウィンと協賛し、『スリラー』のオマージュ作品を監督しました。 ショートバージョン先行公開中!! http://www.youtube.com/watch?v=gbuYwzqOq4g マイケル・ジャクソンもゾンビも特殊メイクも大好物。こんな企画、ほかの監督には渡せない!

この手袋に手を通したもう一人

全く、久々に世界の腐りっぷりを、身の回りに転がる無関心を、メディアを通してでなく生でぶつけられた。 自分が作る動機ということについて書いた翌日に、早速手痛い形で思い出させられたというわけだ。何で自分がああ言った作品を作り続けるのかを。 虐待…

No Retreat

心が不安定な時期というのは何をしてもうまくいかないような錯覚に陥るもので、今現在まさにその渦中にもまれて何が何やらわからぬ毎日を過ごしている。 対外的な大きなイベントを今月中旬に控え、その先の五月にはもう次の大型仕事が薄ぼんやりと見え始めて…

振り下ろすがいい―覚悟が出来たなら。

完成披露試写会は、それ自体がまるで幼い自分が見た夢だったかのような、嬉しい時間だった。そのことについてはツィッターでもフェイスブックでも書いたので、ここでは別の話。 今までの人生で、何回もあったこと。 夢が自分にインスピレーションを与えてく…

新しい終わり

完成披露試写会前日。 色々な想いが渦巻く。 この作品が引き寄せたものと、そうでないもの。 突破できた壁と、いまだ聳える壁。 自分が作り出した瓦礫から新しいものを作り出すほどに、自分は懐古的ではない(と思いたい)。 だから、新しい物語を語ろう。ず…

あの時のキス

ゆうばり上映前日である・・・。 一緒に映画祭期間を行脚してくれた友人を映画上映会場に残し、一足先に宿に戻る。風呂と夕食をササッと済ませ、落ち着いたところで明日の予行練習。 周到すぎるのかもしれないが、上がり症の上に喋り下手なのでしょうがない…

ジェイムス・ホーナーの音とは思えぬ

『世界侵略;ロサンゼルス決戦』を観る。 冒頭の畳み掛けるパニックの奔流には、感情をわしづかみにされて涙まで流したのに。後半〜クライマックスはご都合主義の嵐、偶然が勝利に関与しすぎ。唐突に敵の弾に当たらなくなる主人公たちにもイラつく。それって…

Not of this world

本日は、 『葬儀人 アンダーテイカー』のチラシ、ポスターが仕上がってきた。・・・エクストリームリークール!早速ゆうばりに送りました。 公式ホームページの試験版が上がってきた。これまたグレイト!刺激されて新しいHPアイディアがポロポロと。 世界最…

好き嫌いはいけません

昨日よりヤフーオークションでのビデオ販売を再開。 ここから3月頭までは作品『葬儀人 アンダーテイカー』の売り込みに掛ける以上、純粋な収入はこのビデオ群に担わせることになる。 今日から先、コレクションの中から一日一本、思い切ったタイトルを出品し…

隔離が物語を減速

「蛾」がひとまず自分の納得の行くレベルまで達したので、残るは車消しカットに残った消し跡消し(ややこし)と、エンドロールのスピード調整。 いよいよだ。本当にいよいよだ・・・。 『クアランティーン2』前半の飛行機描写に、自分が『デッド・フライト…

Stand by myself。

『マクト』のときも『ストップオーバーステーション』のときも体験したのだが、映画製作上のゴールまであと少しというところになると、胸中がざわざわするというのか、常に心臓が1.5拍早めに打っているというのか・・・兎に角居ても立っても居られなくな…

糞の上に糞が乗る。

渋谷のゲオが50円レンタルをやっていることを知り、ツタヤではどうもレンタルするに至らなかった作品群をまとめてレンタルすることに。 期待の新作『新・トレマーズ』、本ブログでも褒めた『ブラディ・ヴァンパイア』のオブロウィッツ監督作品『キラー・シャ…

沈黙の夕焼け

監督した映画作品の最終音楽打ちあわせのため、そしてHP制作の打合せのため、藤沢へ赴く。 そして、ここ何年間かずっと感じていたつかえ感の正体に、帰りの電車の中でふと気付く。 自分は、大切な友と会うたびに、くだらない(これは、本当の意味ではくだら…

・・・までが遠足です。

ただいま。 本当に、長い旅に出ていました。 今の自分は、その旅で手に入れてきた宝物を、 磨き、組み合わせ、時には拾捨選択し、 中学生の自分に認めてもらえるような作品を、 あの当時のビデオショップの棚に相応しい商品を、 生み出そうとしているところ…

高いところを飛びたい。

今日はジョン・ウォーターズ作品中最も好きな『PECKER』の主題歌が脳裏に突然蘇り、急遽連続拝聴する。 以下がその歌詞。 『Happy Go Lucky Me』 Paul Evans I can laugh, woh-oh-oh, when things ain't funny Ha-ha-happy go lucky me, oh yeah I can smile…

タイトルが適当な理由

クライヴ・バーカーの『ヘルゾンビ』は酷い。 開巻10分はとても良質なトワイライトゾーン風味を味わえたのだが。 現実が色を変え、新しい価値観に与しなければならなくなった人々の孤独感―それ以外に見所のない作品。そしてその価値観の組み立てが甘すぎる。…

サバイビング・ゲームだよ人生は。

掛け値なしの娯楽作品を連作していた時期のアーネスト・ディッカーソン監督作品、『サバイビング・ゲーム』を改めて鑑賞。 キャラの描き分けが出来ているこの気持ち良さ! だから、こういう中規模予算作品を作りなさいよ。 なんて言いつつ、作業中の気分転換…

残念本

荒木飛呂彦氏のホラー映画解説本の発売を知り、早速本屋で探して立ち読むも数ページで激しく落胆し、購入を取りやめる。 彼のマンガからは殆ど憧れにも近い他表現ジャンルへの愛情が伺えるが、それが全然内容に現れていない。 「この映画のこんなところが評…

二度と明けない夜(もしくは、白けた昼間)

リー+カッシング主演の『デビル・ナイト』('72)を観る。原題は『Nothing but the night』。「真の暗黒」とでも訳すか。 本作のビデオは確か大学一年当時、湘南台の安売王で購入したもの。手に入れてすぐに鑑賞の機会があったが、開巻20分ほどで淡白な語り…

大都市停電/獣襲来

『ブラックアウト』('09)を観る。 約3年ぶり(!)に日記トップ画像を更新したことからも判るように、これは近年の未公開作品群の出来からすると奇跡的なまでによく出来た'80年代的パニック・ホラーである。 怪物の登場する映画をモンスター映画とするか…

父と暮らす

とても怖い映画を観る。 『父と暮らせば』('04)である。 怖い、と私に思わせたということは、 この作品が意図したところが、寸分の狂いもなく、 観客に届けられたということの証拠。 積み重ねられる言葉の重圧。 繰り返される回想の張り詰めた緊張感。 そ…

面白くないよー

ハロウィンより一足早く『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』を観る。 本編より、本作の元になった3分自主アニメのほうがぜんぜん面白のはまずいだろ。視点が交錯しまくり、登場人物の誰にも興味が持てないヒドイ映画でした。アンソロジーと…

BAD SEED

『エスター』を観る。 これは久々に現れた養子系ホラーの秀作だ。 あの公園のシーン! 日常の中に不意にたち現れる恐怖。それが自分を取り囲んで、世界の見えかたすら変えてしまうことがある。夜中起きてトイレに向かう道中。ふっと暗闇の中で不吉な顔を思い…

あんなのが地獄なのかー

ライミのホラー『スペル』を観る。 最近のこの人って、興味ないシーンになると途端に以前の自作のライブラリから描写を引っ張ってくるのが常態化してるのな。 それを踏まえてみると、この作品が『死霊のはらわた4』化してるのって、別にファンサービスでも…

蠢く生肉

フレディ・フランシス監督の『ゾンビ襲来』を観る。 ってもゾンビ映画ではない。原題の『クリーピング・フレッシュ』が『ヘル・オヴ・ザ・リヴィング・デッド』の英語別題でもあるので混乱するなあ。 水を浴びると甦る原始人の骨。それを巡って争うカッシン…