日の出は来るか

【ゾンビランド】を観る。 ここにきて本数が増えれば増えるほど、どん詰まりに来ている感が増していくゾンビ映画。 このジャンルの本質とは「現状のしがらみから何はともあれ自由になること」の楽しさであるが、自由になった先にある空虚まで既に(物語上に…

CG功罪の功のほう

米国のアルバート・ピュン.comに『ネメシス2.0』のデモリールが上がってる!!!!!! これをもしピュンが構成/アイディア出してるなら、再起は有りえるな。 だって、90年代に存在した名作B級群の匂いが確かにするもの。既視感と独創性の見事なマッチング…

黒グモの予言

さて、久しぶりに期待の新作(って、94年作だが)『ドールマンVSデモニック・トイズ』を観る。 これはアルバート・ピュンの『ミクロコップ』の宇宙刑事とピーター・マヌージアン監督&『ダークナイト』のデビッド・ゴイヤー脚本による人形ホラーの傑作『ドー…

海に生きる

無心になることが出来る、という料理の良さについて書いたことが、確か過去にあった。 昨晩から頭痛を訴えていた相方が朝方から臥せっており、このところ家事一切をお任せ状態になってしまっていた自分の「ゴメン」もできるってんで、夕方一杯かけてポトフと…

ルールはありませんでした

メアリー・ランバート監督による『ルール:封印された都市伝説』を観る。 アーヴァン・レジェンドをテーマとしたシリーズ三作目だが、限られたコミュニティの中で展開するための閉塞感(雪景色がそれを更に顕著に)が完全に都市伝説の面白さ、コワさを封じて…

A DIVER

引き続き予告編の作業。 耳栓(ヘッドフォン)をして深く、先の更にその先を目指して潜る。画と画の均衡を計り、時には音楽でその液体をかき混ぜ、その渦巻きの中に浮かび上がってくるグルーブをとらえようともがく。 この液体の中にいると強く感じる。 私に…

感情と勘定

現在受け持っている予告編の仕事でにっちもさっちもいかなくなり、長く連絡を取っていなかった友人に電話を入れる。そういえば前回彼に連絡を取った時も、長い無沙汰があった後であった。 前回の再会時はその無沙汰の間に行った引越しや就職&転職、その他様…

オーバー ゼア デッドボディ

イギリス以外の国では中々デジタルメディア化されないモンスター/ゾンビ映画、『デーモンの嵐』を輸入して鑑賞。が、結局4:3のトリミング版である上に画質も良くない。 怪奇風情も特殊メイクもテンポも上々な初〜中盤から急転直下、主人公が奇形のウルト…

Take a deep breath

暇なときは脳が脱力感に漬かるほど何も起こらないくせに、出来事というのは本当、いつも数珠繋ぎに起こるものである。 背中を押されて走り出したはいいものの、フライングやらルール違いやらで頭を叩かれ、何も起こらない時間の中でせっせこ組み立てていた「…

にんげんって

最近ほんとに駄目な物と駄目な人に出遭ってない。 結婚とその後に続く様々な行事の中で、素敵な人々との対面に慣れすぎてしまったのだろうか。 思えば「酷すぎる」って言える仕事も・・・最近してないなあ。というか、酷い仕事を沢山知って、「酷い仕事」の…

2000年は過ぎました

『デス・レース』を観る。 本作品を観て感心したことが二つある。まず、きっと公開当時好事家たちによって散々言われているだろうが、原典のプロデューサーであるロジャー・コーマンをちゃんと製作総指揮に入れていること。ま、ご老体なので名前を貸しただけ…

夜明け前

上海で購入以来積んだままになっていた海賊DVDの一本『13日の金曜日 序曲』を鑑賞。 コレクターとしては、かつてクラリオンビデオから出ていた国内版VHSを発見/鑑賞したかった作品ではあるが。 これは優秀なB級映画人が世界中の製作状況に無自覚に作れた時…

見るのではないのか?そこにいるのか?

んなあああああ! 『アバター』・・・うう・・・。 幼少時の自分をして映画監督を目指させた作家たちの最後の生き残り、キャメロンが見事に「死んだ」。 さあ、次の世代である我らは、どう彼ら(の遺したかつての名作)を超えよう。 勿論、物量やCGの精緻さ…

タイトな自主映画

年始に観た映画・・・『エイプリルの七面鳥』『トロピック・サンダー』。 どちらも良く出来ていた。但し非ホラー作品だったこともあり、真剣に作られた恐怖映画への渇望は却って増幅された感がある。 んなこと言いながら明日は朝から『十三人の刺客』鑑賞!…

ああアヴァター・・・!

アバター寝坊しました。はい。 六本木シネマズのチケ予約までしたのに〜! 昨夜遅くまで景気づけの続きをしていた結果がコレである。 あの後クライヴ・バーカー・プレゼンツ『セイント・シナー』を観ていたのだ。 どうやって(どのような映像効果で)ラテッ…

映画への憎悪

作品中に映画欲がはちきれんばかりに増大したため購入したブルーレイ『ダークナイト』を観て、高解像度嗜好が高まる。 そしてクランクアップ/清算終了の勢いのままレンタルしてきたブルーレイ『GIジョー』で見事にその勢いは殺がれ、更に口直しにと鑑賞した…

He knows you are alone

予定していた次の仕事は、断った。ということは、不安は的中したということである。予算・スケジュールがない上に監督が腑甲斐ない作品・・・わかっていて手を出すほど馬鹿ではない。 今現在進行している某国営局子供番組内ショートドラマシリーズも、崩壊寸…

キルミー・ソフトリー

何だか「良作」のレッテルを貼られた未公開SF『エイリアン・レイダース』を観る。 これは観客が観たいものがさっぱり理解できていない激凡作。 閉鎖された夜中のスーパーマーケットが舞台なのにも関わらず、そこに陳列してある膨大な商品を生かさないでどう…

また、あの駅で会おう

ブラジル映画『セントラル・ステーション』('98)を観る。 人と人との繋がりを、とても慎重に描いた作品。識字率のとても低い地域で「露天代筆屋」という職業についている老女を主人公にしたこの映画。 乱暴な言葉の飛び交うこの作品が持つ温かさの源泉はな…

ほら、虎がいる

人形をテーマにした短編ホラー脚本を書きながら、自分の怪奇嗜好について一考。 『キンドレッド』(’87)というミュータントホラーがある。ビデオというメディアがレンタル店から姿を消した現在では、もはや中古ビデオ店のホラーコーナーに求めるしかないよ…

どう生きたか。

ドキュメンタリー作品『A』を観る。 「集合」対「個」という図式が目の前にあったとき、ほとんど反射的に自分は「個」に肩入れしてしまうことを、改めて知った。また、成長の過程において、自分は多くの場合「個」のほうであったことも、思い出した。 作品に…

気づいたこと

古いB級映画を観ていると、スターが無名時代に関わっていた作品を発見することがあり、これがB級鑑賞の楽しみでもある。 例えば陰鬱な雰囲気が最高な怨霊バエ大量襲来映画『フライショック』にモスデフがフイーチャリングされていたり、屈指の未公開クリーチ…

頼むから解説してください

式を無事終え、次の仕事も決まる。 作品合流までの期間をどうしよう、ってんで、書き溜めていた脚本を整理/書き足している。 合間にいらぬビデオを出品したり廃棄したり、整理する。結婚式を期に奥さんが家に友人を呼ぶことを解禁したので、ちょっと早いが…

6フロアーズ・トゥ・ダウン

『ダーク・フロアーズ』(08)を観る。 フィンランド初のホラーだというポイントには全く気がつかず鑑賞。本編を観終わるまで完全にハリウッド作品だと思ってた。・・・それこそ近年の諸国作品が陥っている泥沼なのでは。 ドイツ『デュカネ』や本作、大予算…

黒い窓と白い顔

等間隔に続く黒い正方形。上下にも、左右にも。きっと巷に工場製品が溢れ出した頃だからこそのそういったデザイン。 今日も、あの窓に目をやってしまった。 瀟洒な公園を背後に聳えさせる、普段の自分ならけして近づかないだろうレストランに通うようになっ…

閉塞感が大事。

『デュカネ 小さな潜水夫』を観終わる。『墓地を見おろす家』も読み終わる。 自転車に乗った兄弟が夏休み、祖父の持つ掃海艇へとひた走るオープニングが爽やかで期待させるが、『デュカネ』はお金のかかり具合(=世界的成功を求めるスポンサー)を意識しす…

雨にもマケズ

『えじき』『アイアムオメガ』を観る。 両作とも特殊効果のデザインや基本的演出には間違いがないが、脚本段階で分かるはずの失敗を犯している。前者は序盤の伏線を後半忘れるのでもう言語道断。後者はゾンビ映画のはずがクライマックスは人間同士の格闘。そ…

今度は戦争だ。

ヴィンセント・ドーンの遺作『ゾンビ2009』を観る。 ドーン監督といえば『ロボコップ』に対して『サイバーロボ』を、『ゾンビ』に対して『ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド』を放つという一生贋モノを貫いたイタリアの鉄人であるのだが、本作では『エイリア…

バーカーが気持ち悪く老けててビックリ

新潟より無事帰り着き、家でゴソゴソと脚本を書いたり映画を観たり。 様々な想いはあるが、葬儀は滞りなく終了。親戚がいてくれることを有り難く思う気持ちを土産に帰ってくる。 二ヶ月近く映画を観ない生活をしていたもので、気付けに『ミッドナイト・ミー…

両手一杯の

大体において、「故郷」という言葉から想起される場所が唯一箇所という人間も少ないのではないだろうか。 自分にとってもそう呼べる風景は幾つかあり、生まれ育った場所である藤沢(この中でも、その景色は繁華街、中学校付近、高校付近など幾つかに別れる。…