どう生きたか。

hellbeyond2009-11-13

 ドキュメンタリー作品『A』を観る。


 「集合」対「個」という図式が目の前にあったとき、ほとんど反射的に自分は「個」に肩入れしてしまうことを、改めて知った。また、成長の過程において、自分は多くの場合「個」のほうであったことも、思い出した。
 作品に対する僕の結論はまだ無い。鑑賞後一時間程度しか経っていない今現在、そんなもの出しようが無い。
 自分の信じる意見は、しっかりと客観性を持った内省を経た上で、相手にぶつけるべきであること。
 自分(と愛する人)を守るために、戦うべきであること。
 (この映画の主人公たちの多くは、好き好んで戦場に居るわけではない、言わば「巻き込まれた人々」だけれど。しかしあなたが戦ってきた場所だって、往々にしてそういうものだったでしょう?)


 ・・・この一本の映画から、そんなものを貰った。それだけは、はっきりと言える。


 昨日は『ジャスミンの一日』('99米)を観る。
 子供の頃から飛び級を繰り返し、半生を大学の研究室で過ごしてきた若き博士(25、6才か)が作り出した成長促進剤。助手の誤用によって、二日で死に至るほどに高速で成長する少女が生まれ出てしまう。少女が世界に対して見せる興味、感動。そして老いることの哀しみと、それを知って日々を生きる老女の一言が、どんな高度なSFXより、どれほど衝撃的な映像より、観客をはっとさせてくれる。
 これこそSF!
 現実を見事なさじ加減で誇大化して、私たちが知っているのに日常の中で忘れている大事なことを、私たちの代わりに語って聞かせてくれる物語。
 多くの人に観てほしいけれど、海外でもDVD化していないこんなTV映画を置いてるビデオ屋なんてもうないんだろうなあ。
 ね?いち早くビデオを棚から消した「カルチャーコンビニエンス」ツタヤさん?