2008-01-01から1年間の記事一覧

虫食い

地元の大型リサイクルショップで『ミミズバーガー』なる映画のビデオを発見。 その店が出来たのが15年近く前。このビデオ、いつから棚の奥の隅っこでゴルフ入門ビデオやらポリスアカデミーやら古いアニメビデオやらと一緒くたに埃を被っていたんだろう。欲し…

A Road to Sulvation

仕事を入れずにいたら見事に製作開始期間の波に乗り遅れ、本年末までビデオ転がしで食いつなぐ羽目に。30目前にしてこの状況は凹む。憂さ晴らしに千葉を中心にビデオ屋を荒らし回るこの頃である。 先日は船橋某レンタル屋のVHS貸し出し終了に伴うセールで…

惜しみなく愛は奪う

『愛すれど心さびしく』(’68)を観る。 何がしか心に引っかかる出来事が実生活に起こるたびに、この作品を引き合いに出してしまいそうな、そんな映画。原題は「愛は孤独な狩人」。 そうなのだ。我々はいつも自分のことで精一杯で、ついつい黙した人を相手に…

アイズ・フォー・ノスタルジア

ふとしたタイミングで、以前棲んでいた大泉学園を通りかかることがある。 それは仕事仲間と乗り合いのロケバスの車窓から見る景色であったり、友人の助手席に座り、当てのないドライブに出た帰りのことであったりする。 改めて思い返すに、就職という大きな…

キング・イズ・アライヴ 

PV監督の下に付いた短編映画作品も一先ず終わり、またぞろ風邪っぴきの仕事明けである。鼻をすすり、咳き込みつつ伏せる。一昨日は精算と共に我が企画書群をプロデューサーに預けてきた。仕事にかこつけて売り込めるのはフリーの特権か。相性はまずまず。…

世の中に必要とされない作品のこと

新しい仕事は、ミュージッククリップを生業とする監督の短編映画。 最初に貰った脚本はまあ納得いった。観客の心に残る短編を作りたいのなら、収まりのよい終わりを選択するべきではない。そう思っていた通りの内容だったから。 ・・・しかし、予算との兼ね…

雷電戦士・その1

上海で購入した輸入DVDにて『Shallow Ground』('04/アメリカ)を観る。 ダム建設による好況も終わり、静かに人の引き始めた山間の村。 突如警察署に現れた血まみれ、全裸の少年。全く喋らない彼の全身に塗りたくられた血液が人間の、しかも複数の人物のも…

パチンコで巨大獣を討て!

遅々として進まない脚本に取り組みつつ、『ゆきゆきて、神軍』を初めて観る。 驚いたのは、自分がこの内容にショックを感じなかったことだ。 勿論、奥崎氏のその後やこの映画のクライマックス(こう書くことにゼンゼン違和感を覚えないほど本作は映画製作者…

怒りの思索

混乱を極めた仕事への思いを書き綴ろうと夜分のスタッフルームにてPCに向かってみたものの、結局言えることは何も無いと気付く。すべてが終わり、この仕事が自分に与えたものと奪ったもの(主に時間)のバランス、出来上がった作品の手触りを綜合判断し、…

死者の日

忙しい最中、新作ゾンビ映画『デイ・オブ・ザ・デッド』を観る。 これは『死霊のえじき』ではない。 自明のことかもしれないが、これほど乖離した作品になっている以上、語る上でまずはそれを明らかにしておく必要がある。元となった作品との共通点といえば…

呼び出し音

鬱屈した製作状況に毒を吐き乍らのスタッフルーム。いかんいかん、と思いつつ何も決定できない同僚の、意見を求めてくる声に語気を荒くしてしまう。 自分が思うように仕事出来ればいいや、作品が駄目なのは台本段階で宿命づけられたことだし、などという諦め…

死者の書

現場側としてはネクロノミコンにも等しい駄異本を手に右往左往の毎日。 想像力も慎みもない愚者の文章に怒りを感じつつ勤め続ける。 上司から『デイ・オブ・ザ・デッド』(リメイク)のチラシを貰う。一気に観る気が萎える素晴らしいデザインに眩暈。 皆さん…

ロメロの新作

昨夜、スタッフルームで久々に米アマゾンでDVD注文。 非常に評判が悪い『デイ・オブ・ザ・デッド』リメイク、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『ミスト』『クローバーフィールド』。 ・・・全部世界が終わる作品だな。 ま、折角映画なんだから嘘はデッカイ…

色のある世界から

祖父が撮りためていた写真を作品中に使おうと思い立ち、昨晩は久方ぶりの地元へ。 自分の祖父は戦前から某新聞社に記者兼カメラマンとして勤務しており、昭和二十年前後という時代でも、家族写真を撮り続けることができた幸運な人であった。 今現在自分が関…

ジミーでサンティアゴでバカ

駄目映画について。 自分が駄目映画ちう物の存在に気付いたのはいつ頃だったろうか? 親父に毎週末連れて行かれた近所のビデオ屋で、毎回30分以上掛けてジャケットを吟味していた小学生時代に観た作品には、強烈な失望を味わった記憶が無い。ラストだけ強烈…

truely true

「昭和の写真」って、昭和の有名写真家たち一人につき一冊出したシリーズ本を読んだ。 ガツンと頭を叩かれたような衝撃。いい写真ってほんと、いい。謙虚な写真家たちの姿勢にも感銘。「写真は芸術ではない。あるいは「芸」であり「術」ではあるかもしれない…

元気です。

色々と試行錯誤の結果、携帯で映画を鑑賞出来るように。液晶画面で見る『ゾンビ』もおつなものであるよ。ふむ。

脳内総員配置

今回の作品、昭和二十年八月が舞台なのであるが、調べ物がこんなに面白い仕事は初めてである。作品自体の台本の酷さに対する悪感情をあるいは救ってくれるかもしれない。 例えば、八月に入って佐世保港に入港し、そのまま終戦を迎えた潜水艦の日誌を見た。 …

レイザーバック盆地から遠く離れて

明日から上司であるチーフ、セカンドが作品に合流する。 つまり、(GWは置いておいて)本日が猶予期間の最終日ということである。今日まで集めた武器で、どこまで闘えるか。今日も一日、家で静かに調べ物、そして台本をシーン別の表に切り分ける作業を行って…

メインタンク・ちょいブロー

諸事情あって、一般映画観客としては絶妙にオフタイミングな一作『U-571』を観た。これを観なければいけない状況が、現在かかずらわっている作品の外しっぷりを如実に物語っている気がするがまあいい。 名作『Uボート』(未見。こっち先観りゃ良かった)の船…

未公開三連発

英国製ゾンビ映画『ZOMBIE DIARIES』(’07)を観る。 コンセプトは怪獣をゾンビに、都会を田舎にした『クローバーフィールド』である。映画『ゾンビ』の世界の端っこで、ドキュメンタリースタッフが取材中にゾンビ現象に遭遇して・・・って感じ。5パートく…

一人はこれからどうなるか 旅に出る

今日から新しい仕事、戦争映画の準備に入る。とは言えチーフは一つ前の仕事がまだ撮影中であり、自分だけ先に合流しての準備期間である。今回のチーフは助監督で唯一人自分が「尊敬」している方。彼がチーフでなければサードポジションの仕事は受けなかった…

Stay standing like 土筆.

三日間の空白。 この三日間が、実生活の中で直接的な意味を持つことはけしてないだろう。 でもこの間に何をしていたか、自分はきっと忘れない。 本当に気持ちのよい根っこを持つ人々が、自分の身内にまだ居てくれて本当に良かった。いや、それは遠く離れてい…

帰還兵

初めての本格2nd仕事を終え、次なる仕事(戦争映画)への橋渡しである休業期間に入っている。本日から三日間の休みを利用し、母方の田舎である新潟は潟東村へと赴くことに。 先日の実家帰りで偶然見た祖母の近影にショックを受けたことが、直接の原因である…

家族のはらわた

実家が戦争状態に突入。 原因は相変わらず。精神の均衡を崩した家族の一人「父」である。『父』といってもいい。 本当に、自分の遺伝子が繋がっている先が彼だということが信じられないし、それをリアルに想像すると嫌悪感を感じる。彼が自分の親だという事…

オルレアンの噂

我が弟が脚本・ディレクションした携帯用ゲーム『オルレアンの噂』が配信開始となったので、遅ればせながらプレイしている。 安心してプレイできる。ホラーゲームに安心とはヘンな言葉かもしれないが、言われなければ新人の作だとは誰も気付かないだろう。そ…

『フリークス・ドール』

’90年代にはめっきり減ったホラーオムニバスの一つ、『フリークス・ドール』(’95)を観る。 カーニヴァルで可愛い女の子を引っ掛けてご機嫌な少年。彼女を連れて閉館間際の見世物小屋に潜り込む。そこで「フリークマスター」と名乗る妖しい紳士に出会った彼…

デスレイ2000年

ド頭から真顔でかましてくる名解説を発見。 『殺戮兵器レーザー・キャノン』('81)より。 ふと、原子爆弾に「リトルボーイ」と名付けた米人の明るい残酷さを思う。んで更に桜井和寿の「全てのものは誰かの夢から出来ている。夢は良くもなるし、悪くもなる」…

クズどもに祝福を。

『動物と子供たちの詩』(71)を観る。 クズと呼ばれ、存在価値がないと周囲の皆に断言された少年たちは、それでも「自分以外の」誰かの為に行動を起こす。これはそんな映画。遊戯射撃の的にされる運命のバッファローを開放するための道のりは、かつて西部劇…

チャッキーの種

『チャイルド・プレイ5 チャッキーの種』(04)を観る。 前作から既に見えていたセルフパロディ路線を推し進め、『ザ・リアルナイトメア』的なメタ現実ホラーとして成立した稀有な一作。 物語前半で現実世界に広げていった虚構世界を、映画として成立するた…