家族のはらわた

hellbeyond2008-04-14

 実家が戦争状態に突入。
 原因は相変わらず。精神の均衡を崩した家族の一人「父」である。『父』といってもいい。 本当に、自分の遺伝子が繋がっている先が彼だということが信じられないし、それをリアルに想像すると嫌悪感を感じる。彼が自分の親だという事実のリアリティのなさから、父の文字を括弧で括るとき、自分が映画作品を称するときにつける『』がしっくりきてしまう。ほんといやんなる。
 一年間引きこもり状態であった父を二ヶ月ほど前に力づくで外に出し、通院を開始させた。安定剤を処方してもらうためである。廃人になっていく父を甘んじて見ているのが嫌だという一族郎党の意見が一致し、何らかの薬を処方してもらうためにそうしたのである。今回の投薬開始については、完全に裏目に出てしまった形だ。薬による(いや、それはもしかしたら父の本来の姿であったかもしれない)躁転の結果、現在父親は破産寸前まで家族を追い込んだ恥を忘れ、またぞろクレジットカードに手を出そうとしている。
 「良かれと思ってしたことが、自らや家族を追い詰める」。言葉の上で言うのは簡単だ。現実に味わってみると相当へヴィである。この年にもなって、自分の倫理観が揺れているのがわかる。いや、頭痛を抱えた頭が現実に揺らいでいるのか。


 久々に書いた日記がこれか。糞ったれなことよ。


 さて、先日久々に、映画を観ることで平衡感覚を揺らがされる作品を観た。
 作品を観ることで、現実の世界の見え方が変わるという意味である。
 『クローバーフィールド』。
 本作品の現実へのアプローチの仕方を容易く『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と対比する文章を良く見るが、それは早計というものだろう。
 ブレアが安っぽい作りであるにも拘らず頑なに「偽ドキュメント」として売っていた一方、本作品は明らかな「作り物」であり、本作品の目的は、怪物が存在する空想世界というフィルターを通すことであからさまにエンターテイメントの中に取り込んだ「現実」を表現することである(だから比較対象としては『宇宙戦争』が正しい選択)。目の前の価値観なんて一気に崩壊しかねない。
 自由の女神の頭がいつ飛んできてもいいように、心構えをしておこう。