2010-01-01から1年間の記事一覧

大都市停電/獣襲来

『ブラックアウト』('09)を観る。 約3年ぶり(!)に日記トップ画像を更新したことからも判るように、これは近年の未公開作品群の出来からすると奇跡的なまでによく出来た'80年代的パニック・ホラーである。 怪物の登場する映画をモンスター映画とするか…

父と暮らす

とても怖い映画を観る。 『父と暮らせば』('04)である。 怖い、と私に思わせたということは、 この作品が意図したところが、寸分の狂いもなく、 観客に届けられたということの証拠。 積み重ねられる言葉の重圧。 繰り返される回想の張り詰めた緊張感。 そ…

面白くないよー

ハロウィンより一足早く『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』を観る。 本編より、本作の元になった3分自主アニメのほうがぜんぜん面白のはまずいだろ。視点が交錯しまくり、登場人物の誰にも興味が持てないヒドイ映画でした。アンソロジーと…

BAD SEED

『エスター』を観る。 これは久々に現れた養子系ホラーの秀作だ。 あの公園のシーン! 日常の中に不意にたち現れる恐怖。それが自分を取り囲んで、世界の見えかたすら変えてしまうことがある。夜中起きてトイレに向かう道中。ふっと暗闇の中で不吉な顔を思い…

あんなのが地獄なのかー

ライミのホラー『スペル』を観る。 最近のこの人って、興味ないシーンになると途端に以前の自作のライブラリから描写を引っ張ってくるのが常態化してるのな。 それを踏まえてみると、この作品が『死霊のはらわた4』化してるのって、別にファンサービスでも…

蠢く生肉

フレディ・フランシス監督の『ゾンビ襲来』を観る。 ってもゾンビ映画ではない。原題の『クリーピング・フレッシュ』が『ヘル・オヴ・ザ・リヴィング・デッド』の英語別題でもあるので混乱するなあ。 水を浴びると甦る原始人の骨。それを巡って争うカッシン…

日の出は来るか

【ゾンビランド】を観る。 ここにきて本数が増えれば増えるほど、どん詰まりに来ている感が増していくゾンビ映画。 このジャンルの本質とは「現状のしがらみから何はともあれ自由になること」の楽しさであるが、自由になった先にある空虚まで既に(物語上に…

CG功罪の功のほう

米国のアルバート・ピュン.comに『ネメシス2.0』のデモリールが上がってる!!!!!! これをもしピュンが構成/アイディア出してるなら、再起は有りえるな。 だって、90年代に存在した名作B級群の匂いが確かにするもの。既視感と独創性の見事なマッチング…

黒グモの予言

さて、久しぶりに期待の新作(って、94年作だが)『ドールマンVSデモニック・トイズ』を観る。 これはアルバート・ピュンの『ミクロコップ』の宇宙刑事とピーター・マヌージアン監督&『ダークナイト』のデビッド・ゴイヤー脚本による人形ホラーの傑作『ドー…

海に生きる

無心になることが出来る、という料理の良さについて書いたことが、確か過去にあった。 昨晩から頭痛を訴えていた相方が朝方から臥せっており、このところ家事一切をお任せ状態になってしまっていた自分の「ゴメン」もできるってんで、夕方一杯かけてポトフと…

ルールはありませんでした

メアリー・ランバート監督による『ルール:封印された都市伝説』を観る。 アーヴァン・レジェンドをテーマとしたシリーズ三作目だが、限られたコミュニティの中で展開するための閉塞感(雪景色がそれを更に顕著に)が完全に都市伝説の面白さ、コワさを封じて…

A DIVER

引き続き予告編の作業。 耳栓(ヘッドフォン)をして深く、先の更にその先を目指して潜る。画と画の均衡を計り、時には音楽でその液体をかき混ぜ、その渦巻きの中に浮かび上がってくるグルーブをとらえようともがく。 この液体の中にいると強く感じる。 私に…

感情と勘定

現在受け持っている予告編の仕事でにっちもさっちもいかなくなり、長く連絡を取っていなかった友人に電話を入れる。そういえば前回彼に連絡を取った時も、長い無沙汰があった後であった。 前回の再会時はその無沙汰の間に行った引越しや就職&転職、その他様…

オーバー ゼア デッドボディ

イギリス以外の国では中々デジタルメディア化されないモンスター/ゾンビ映画、『デーモンの嵐』を輸入して鑑賞。が、結局4:3のトリミング版である上に画質も良くない。 怪奇風情も特殊メイクもテンポも上々な初〜中盤から急転直下、主人公が奇形のウルト…

Take a deep breath

暇なときは脳が脱力感に漬かるほど何も起こらないくせに、出来事というのは本当、いつも数珠繋ぎに起こるものである。 背中を押されて走り出したはいいものの、フライングやらルール違いやらで頭を叩かれ、何も起こらない時間の中でせっせこ組み立てていた「…

にんげんって

最近ほんとに駄目な物と駄目な人に出遭ってない。 結婚とその後に続く様々な行事の中で、素敵な人々との対面に慣れすぎてしまったのだろうか。 思えば「酷すぎる」って言える仕事も・・・最近してないなあ。というか、酷い仕事を沢山知って、「酷い仕事」の…

2000年は過ぎました

『デス・レース』を観る。 本作品を観て感心したことが二つある。まず、きっと公開当時好事家たちによって散々言われているだろうが、原典のプロデューサーであるロジャー・コーマンをちゃんと製作総指揮に入れていること。ま、ご老体なので名前を貸しただけ…

夜明け前

上海で購入以来積んだままになっていた海賊DVDの一本『13日の金曜日 序曲』を鑑賞。 コレクターとしては、かつてクラリオンビデオから出ていた国内版VHSを発見/鑑賞したかった作品ではあるが。 これは優秀なB級映画人が世界中の製作状況に無自覚に作れた時…

見るのではないのか?そこにいるのか?

んなあああああ! 『アバター』・・・うう・・・。 幼少時の自分をして映画監督を目指させた作家たちの最後の生き残り、キャメロンが見事に「死んだ」。 さあ、次の世代である我らは、どう彼ら(の遺したかつての名作)を超えよう。 勿論、物量やCGの精緻さ…

タイトな自主映画

年始に観た映画・・・『エイプリルの七面鳥』『トロピック・サンダー』。 どちらも良く出来ていた。但し非ホラー作品だったこともあり、真剣に作られた恐怖映画への渇望は却って増幅された感がある。 んなこと言いながら明日は朝から『十三人の刺客』鑑賞!…