黒グモの予言

hellbeyond2010-01-28

 さて、久しぶりに期待の新作(って、94年作だが)『ドールマンVSデモニック・トイズ』を観る。
 これはアルバート・ピュンの『ミクロコップ』の宇宙刑事とピーター・マヌージアン監督&『ダークナイト』のデビッド・ゴイヤー脚本による人形ホラーの傑作『ドールズ2』(非続編)の人形たち、そしてチャールズ・バンドの『エイリアン・コレクター』の縮小人間出演による同窓会的VSもの。
 結果は、
 つっまらねえええええ!!!
 いや、更に最近になってからの『パペット・マスターと悪魔のオモチャ工場』よりは各作品の雰囲気を保っている分随分ましだが、それは単純に元ネタとの製作年度の近さという理由からだろう。
 自分は元ネタ三作品のうち『ドールズ2』の支持者なので人形どものコピー度が高い点に関しては評価できるが(しかしウプシー・デイジーの声を変えるという愚行も)、前作と同じオモチャ倉庫をロケ場所に使いながら、あの子供の精神に迷い込んだような迷宮的空間、人形に遊び殺されるというサディスティックでヒステリカルな恐怖は全く感じなかった。前作を思い起こさせるものが、お義理程度に挿入されるストックされた人形たちの煽りカットだけでは・・・。前作の主人公役のトレイシー・スコギンズが出演も、無駄死に。
 DVDにはメイキングが収録されており、現場スタッフが相当数いたこと(少なくとも日本の二時間ドラマくらいはいそうである)、セットをしっかり組んでいること、クレーンカメラなど特機が揃っていたことがわかる。
 結局監督のチャールズ・バンドの愛のなさが全てを駄目にしたということだろう。しかし元ネタはすべて彼の原案によるモノのはずなのだが。