日の出は来るか

hellbeyond2010-08-18

 【ゾンビランド】を観る。
 ここにきて本数が増えれば増えるほど、どん詰まりに来ている感が増していくゾンビ映画
 このジャンルの本質とは「現状のしがらみから何はともあれ自由になること」の楽しさであるが、自由になった先にある空虚まで既に(物語上において)観客が味わい尽くしてしまった今、ゾンビ映画の未来ってどんなだ?と。
 ロメロが提示してくれた「俺らホラー製作者だって言いたいこと言っていいんだ」ってメッセージは、映画に冠して大仰に言い放つほどの「言いたいこと」を失った我々にはもはや懐古の対象となった。とすれば、「当面生き残ればいいじゃない。んで、その時脇に好きな人でも居てくれれば言うことないでしょ?」くらいしか観客の心に残らない作品が主となってくるのもしょうがないことか。


 ゾンビ映画というジャンルファンに向けた明け透けなギャグが詰まった本作は「楽しませる」ことには夢中になった製作者の姿があり、その姿勢を貫くことで今まで以上のものを作るということからは目を逸らし続けた、とも。残念ながら突き抜けていくような力は持たない作品。高速道路に横たわったジャンボジェットなどの終末風景はいつ観ても楽しいが。