とても怖い映画を観る。
『父と暮らせば』('04)である。
怖い、と私に思わせたということは、
この作品が意図したところが、寸分の狂いもなく、
観客に届けられたということの証拠。
積み重ねられる言葉の重圧。
繰り返される回想の張り詰めた緊張感。
そうか、日本映画が持っていた手法は十分に恐怖的なのだな。『CURE』を引き合いに出すまでもなく。
一見(日本映画的な)美談にも思える最後の「花」までもが、シャム双生児の姿にダブって見えてしまう。
父は繰り返している。
「図書館員」たることをやめるな、と。