帰還兵

hellbeyond2008-04-15

 初めての本格2nd仕事を終え、次なる仕事(戦争映画)への橋渡しである休業期間に入っている。本日から三日間の休みを利用し、母方の田舎である新潟は潟東村へと赴くことに。
 先日の実家帰りで偶然見た祖母の近影にショックを受けたことが、直接の原因である。言われなければ、見知らぬ人物と思ったかもしれない。祖母の顔はそれ位変わっていた。病気のせいか、それともそれぞれ何がしかの心配要素を抱えた生活を続ける子供たち(私にとっては親であり、叔母であり、叔父)を抱え続けたからなのだろうか。
 自分が新潟に帰るのはほとんど10年振りである。小学校時分は夏になれば必ず家族で赴いていた。いや、いつからか父は来なくなった気がする。それはきっと今思えば、母と父の悲しい関係がそうさせたのだろう。そしてその空気を感じた自分もいつからか行かなくなったのだろうか。
 自分が作品に「空白の風景」を描きたがる根っこの所には、いつだって新潟の景色があった。田園を突っ切って走る新幹線の高架、人のいない夕暮れの神社が。
 もう一度、あの風景の中に見つけてこようと思う。
 「帰りたくない」そう思うほど、家以外の場所に帰属した自分を。