呼び出し音

hellbeyond2008-05-31

 鬱屈した製作状況に毒を吐き乍らのスタッフルーム。いかんいかん、と思いつつ何も決定できない同僚の、意見を求めてくる声に語気を荒くしてしまう。
 自分が思うように仕事出来ればいいや、作品が駄目なのは台本段階で宿命づけられたことだし、などという諦めにも駆られ、いや、「作品のために助監督が出来ることには限界がある」という通説に頷くほどまだ馴れてはいない、とも。


 こんな時は特に「自分の作品」に対する愛情を強く意識する。現金なものだ。
 自分の子供を愛せない親を見て、わが身を振り返るひとの気分か。自分の中に溜まりに溜まった作品案たちが死んでしまわないうちに、貌に起こさなければ。
 また、信じられぬくらいの包容力でもって、作品のために時間と能力を割いてくれる友人たちの力を借りる時が近づいているのかも知れない。
 それが彼らにも意味の有る時間になるように。