キング・イズ・アライヴ 

hellbeyond2008-10-08

 PV監督の下に付いた短編映画作品も一先ず終わり、またぞろ風邪っぴきの仕事明けである。鼻をすすり、咳き込みつつ伏せる。一昨日は精算と共に我が企画書群をプロデューサーに預けてきた。仕事にかこつけて売り込めるのはフリーの特権か。相性はまずまず。上手くいくよう祈る。


 改めて『真・悪魔の棲む家』を観る。玉石混合のシリーズながら、本作や『続・〜』、『〜PART3』などは必要なものをがっちり各所に配した教科書的アメリカンホラーの鑑として研究に値する。’90年代ホラーの香り高い本作はカッティングで見せる映画的センス、そしてそれを成立させるだけの画を切り取る現場人たちの技術力を併せ持つ逸品。「基本だが大事なこと」を教えてくれる。一作目の原作となったルポ本『悪魔の棲む家』は霊現象を騙っただけのガセだったが、これほどまでに洗練された作品群を後に生み出したことを考えると、その存在価値は認めていいものと思う。
 ハリウッド大作と比べれば取るに足りない小さな物語だったとしても、作り手がその効果を信じ、美しい音楽を乗せ、登場人物の心情を描写してくれればそこに世界は立ち上がるのだ。そして恐怖映画と言うジャンルが好むのは、正にそうしたミニマムな土俵なのではないか。
 本作は一度あの「屋敷」を離れ、その代わりに悪の象徴としての「鏡」というアイテムを用意したことで、マンネリ化を逃れてもいる。