世の中に必要とされない作品のこと
新しい仕事は、ミュージッククリップを生業とする監督の短編映画。
最初に貰った脚本はまあ納得いった。観客の心に残る短編を作りたいのなら、収まりのよい終わりを選択するべきではない。そう思っていた通りの内容だったから。
・・・しかし、予算との兼ね合いによる修正を加えつつ書き直しが続けられるうちに、あれよあれよと言う間に意味不明描写の連なるおかしげな物体に。
今日送られてきた本を読んで、脚本家が作品を投げた瞬間に発生する突然の温度差を、肌で感じた。
まるで、夏の草いきれと秋の乾燥した空気が層を成す、今時分の夜気のようだ。
そして最悪なのは、一連の作業が監督抜きで行われていること。彼は他の仕事で忙しいそうだ。責任ってなんだろう。
ともあれ今日は二眼レフカメラを購入。小道具である。