未公開三連発

hellbeyond2008-04-19

 英国製ゾンビ映画『ZOMBIE DIARIES』(’07)を観る。
 コンセプトは怪獣をゾンビに、都会を田舎にした『クローバーフィールド』である。映画『ゾンビ』の世界の端っこで、ドキュメンタリースタッフが取材中にゾンビ現象に遭遇して・・・って感じ。5パートくらいに分けて構成されており、途中撮影者が死んでビデオカメラの持ち主が変わったりなどと飽きさせない工夫はしてある。更に無人となった街の中に舞い散る新聞紙や、誰も居ないTV局でうなだれる局長の描写など終末の雰囲気は予算にしては十分醸成。只、ホラー映画的に完成度が高い状態が持続すればするほど、自分は観ていて何か絶対的な物足りなさを感じてしまった。それはきっと絶望的状況での主人公の生き様を通して、作り手の「未来への意思」が見たかったということなのだろう(ちなみにこれはホラー映画としての出来とは全く関係ない。つまり自分がゾンビ映画に第一に望んでいるのはホラー的要素ではないということになる)。『ゾンビ』は、監督の顔を観客に意識させることなしに、ラストで見事にそれをやってのけた。食傷するほど繰り返された人体破壊描写も、観客を一度無感動(=まっさらな状態)にするための手段だったのだ、と自分は思っている。


 『スピーシーズ4』を観た。尼さんエイリアンが大ジャンプした。そんだけ。
 アルバート・ピュン復帰作のゴーストウェスタン『レフト・フォー・デッド』を観た。
 CGの使い方は上手いし、メキシコ人のスタッフの技術は一流。でも自分がピュンに求めるのは『ネメシス』『サイボーグ・キラー』『アドレナリン』に見られるようなハイテンションさなんだよ。いつもみたいに途中で息切れしてもいいから。


 引き続き、上海で買ってきた日本未公開ホラーを観ていくことにする。