A Road to Sulvation

hellbeyond2008-11-18

 仕事を入れずにいたら見事に製作開始期間の波に乗り遅れ、本年末までビデオ転がしで食いつなぐ羽目に。30目前にしてこの状況は凹む。憂さ晴らしに千葉を中心にビデオ屋を荒らし回るこの頃である。
 先日は船橋某レンタル屋のVHS貸し出し終了に伴うセールで150本購入。弟のバイクで出ていた関係上、付近のローソンから自宅へ送ることに。流石に重すぎるので台車を借り、ゴロゴロとコンビニへ向かう。見ず知らずの道の上、テカテカとネオンに照らされて。面白いので写真に残した。本日の画像はソレである。
 『タイガーシャーク』『キラー・マニア』『密室の恐怖実験』『恐怖のいけにえ』など探していたヘンテコ映画も手に入れる。
 しかし、近年のビデオ屋閉店の波は尋常ではない。
 特に個人経営のビデオ屋などその存在自体、'80年代の残り滓といっても過言ではないのである。そういう店で貸し出し中の札が掛かっているビデオなどほんの数本であり、大体において古ぼけたオジサン店員がカウンターの向こうでTVもしくはラジオを鑑賞中であったりする。酷いときなど、夏場でもクーラーなし、客が入ると電飾をつけるという体たらく。何店かでも現在まで残っていること自体が奇跡なのかもしれない。
 それは中古ゲーム店や古本屋にしても同じ。古物を扱う以上、商品自体が疲弊し、またはマニアに収蔵され、市場に無くなれば商売は成立しないわけである。中古ビデオ屋がAV店に変わっていくのはとても悲しいが、思えば自分も店頭に残ったビデオをサルベージし、オークションでマニアに販売する(=市場に戻ってくる可能性が低くなる)ことでその流れに加担しているとも言える。自分が心底愛する「静かなビデオ屋」・・・店内には音はなく、シュリンクされたジャケットは埃を被り、誰を待つともなく玉石混合のタイトルが黙然と並ぶ・・・を、意図を持って選んだ商品をそこから抜くことで、自分は破壊している。これには長いこと引っかかっているのだが、自らの生活、創作活動の為である。せめてもの償いに、そういった時代の匂いを感じさせる作品を作ろう、と誓う。


 で・・・面白ジャケットである。
 これは、自分と盟友Y田部をして「面白ビデオ」に目覚めさせた逸品。これ以上の名文には未だ出遭っていない。
 『ザ・ヒッター/必殺のブラックフィスト』より。