パチンコで巨大獣を討て!

hellbeyond2008-09-02

 遅々として進まない脚本に取り組みつつ、『ゆきゆきて、神軍』を初めて観る。
 驚いたのは、自分がこの内容にショックを感じなかったことだ。
 勿論、奥崎氏のその後やこの映画のクライマックス(こう書くことにゼンゼン違和感を覚えないほど本作は映画製作者サイドの演出が成されており、それがまた魅力でもある)の展開は知っていたので、それによる既視感が作用していたせいもあるだろう。
 自分が期待したのは「モラルが禁忌したもの」であり、ここに暴かれたような人間のどうしようもなさは、もう現在では決して秘匿されるべき、驚くべきことには感じられない。
 奥崎氏は人に迷惑をかけるけど、現実感はたっぷりあるだけまだいい。名刺を渡した相手に掴みかかっていこうとする気概もある。手も届かず顔も見えない「安全な場所」での誹謗中傷行為、自己顕示行為を見慣れてしまった自分には、既に奥崎氏の存在はほのぼのとすら感じられてしまったのだった。


 また、怪獣映画の古典『ゴルゴ』('61)を鑑賞。その計算高い特撮演出に感服。巨大怪獣の画は呷りで、という基本を押さえた上で、クライマックスで一カットのみ登場する「飛行機からの俯瞰」のインパクト!同監督の『原始怪獣現わる』も近日中に観てみることにする。