映画への憎悪

hellbeyond2009-12-28

 作品中に映画欲がはちきれんばかりに増大したため購入したブルーレイ『ダークナイト』を観て、高解像度嗜好が高まる。
 そしてクランクアップ/清算終了の勢いのままレンタルしてきたブルーレイ『GIジョー』で見事にその勢いは殺がれ、更に口直しにと鑑賞した『ミラーズ』で新鋭監督アレクサンドル・アジャに対する期待感すら潰えようとは・・・。
 明日のアバター鑑賞会の景気づけにと思ったが、好事魔多しとはこのことである。


 CG使い放題だからってありえない構図/カメラワークを全カット惜しみなく使用した結果、アニメ以下の現実感・切迫感となった相も変わらずのスティーブン・駄目・ソマーズの失敗作(この人の作品は毎回このフレーズで表現しているが、どうして仕事が続くのであろう。謎だ)、『GIジョー』。
 映画って何だろう。我慢ならず停止ボタンを押したその瞬間まで、そう思い続けた。
 『コマンドー』など一連の'80年代筋肉映画をして「この時代は良かったよなあ。筋肉さえ見せてりゃ映画がヒットしたんだから」とはよく言うが、きっと数年後にその揶揄は「筋肉」が「CG」に変わって繰り返されるのだろう。そしてそういったCG馬鹿映画を作り続けた雑魚監督の筆頭として、きっとソマーズ監督は歴史に残るだろう。小品アクション『ガンメン』の脚本などを書いた過去もあるだけに残念なことではあるが。
 『ミラーズ』はスタッフ・キャスト全員が、アジアンホラーの醸す根深く深遠な恐怖に敵わないことを諦めきった上でだらだらとリメイクした紛い物。『ナイトウォッチ』から本作まで、ハリウッドによる他国ホラーのリメイクはほんと全てこんな感じ。
 鏡の中の自分が燃えているのを見て、廃墟の床で孤独に悶えるキーファーを観たい方だけどうぞ。