沈黙の夕焼け

hellbeyond2012-01-10

 監督した映画作品の最終音楽打ちあわせのため、そしてHP制作の打合せのため、藤沢へ赴く。


 そして、ここ何年間かずっと感じていたつかえ感の正体に、帰りの電車の中でふと気付く。
 自分は、大切な友と会うたびに、くだらない(これは、本当の意味ではくだらなくない男同士の会話をさすのではなく、本質的に下らない、刹那的な会話を指す)ことを何時までも話し、その会話の中に隠れた「沈黙」の糸口についぞ気付かず・・・焦るように言葉を重ねてきたのだなあ。
 その相手との関係が疎遠になればなるほど、これは顕著になる気がする。
 まるで沈黙を恐れる人間のように。沈黙が、まるで離れた距離を表すかのように感じていたから。
 本当は逆なんだろう。自然に沈黙できる関係こそ、得がたいものなんだと思う。共に自転車で美しい夕暮れを走るとき、無言になれることは本当に幸福なことなのだと思う。


 今年の目標は、そんな関係に少し立ち返ってみること。
 そして、いま生まれようとしているこの作品に、あの障壁をぶち抜く力を今一度与えること。