『ウィークエンド』

hellbeyond2004-12-27

今、今月3日まで撮影していた東映作品の仕上げについている。
で、この作品の編集マンさんが結構なB級映画好きだったのである。
彼が『ウィークエンド』('76)なるカナダ製スリラーをたいそう薦めていたので本日鑑賞。

内容はほぼ『悪魔のえじき』('77)と同じ。
人気の無い田舎に静養に来た先進的美人が粗野な男の一団にレイプされ(そうになり)、ぶっ殺して回るというもの。
なんか主演女優がホラー/SF映画祭で主演女優賞をとってるのも同じだ。
…が、ストーリーの暗黒度ははるかに『悪魔のえじき』が上。車を主人公の発展的思考の象徴として使うとか、ラストで悪者が握りしめて襲ってくる棍棒がアレのメタファーだとか、(お勉強してます、って感じの)映画記号学的なテキストがあからさまで気になる。そんなんだったら、映画自体のテンポや観客の感情移入をぶち壊しても頭の悪い極悪描写に徹した『悪魔のえじき』の方が見せ物としては上である。
何より追っ掛けや殺しの描写に意外な展開が全く無かったのが痛い。
主人公の殺し方も切る、焼く、轢くとバリエーションに乏しく、主人公の恨みや前半で売っていた頭の良さが感じられず終わり残念。
監督のウィリアム・フルートは『インセクト』('87)が名作だったのに、他のは全部駄目だなあ…。

今日で自主製作中の作品『NOTICE』のオフライン編集を終えたい。