32ビットのじょかんとく

hellbeyond2005-09-24

ドキュメンタリー『アメリカン・ナイトメア』を観る。
これは映画版『恐怖の臨界/ホラーの政治学』だ。
月曜日には東撮のスタッフルームに置いてこようと思う。


「映画は現実と虚構の間にあるという意味で、幽霊にとても近い。
 映された人々は、永遠に同じ所作を繰り返す。
 我々は生を作り出すつもりで、幽霊を作り出してしまったのだ」


劇中のこのセリフは、恐怖映画を作る上で重要なことが何かを教えてくれる。
アメリカン・ナイトメア』、ドキュメンタリーだと気付いたビデオ屋が転売しない内に、皆さんレンタルしてください。


本日は他にも良質のサスペンスホラーニ本、
『新・夕暮れにベルが鳴る』('93/パラマウント
『ターミナル・チョイス 32ビットの殺意』('87/カナダ)
を観る。
前者はオリジナルスタッフ/キャストによる正式な続編。
キャロル・ケインって若い頃はギョロ目の怖い女って印象があったけど、歳を重ねたらあら不思議、意思の強さがその目で強調されて、結構イイ女優になったんですね。
あと今回は狙われる大学生役で出てるジル・シェレンが滅茶苦茶可愛いです。特にオープニングの5年前の事件のシーン、学生服(チェックのスカート!)+ショートカットで登場し、まずファンは卒倒。彼女の可愛さが殺人鬼の執拗さ、そして彼女の自殺未遂を知ったキャロル・ケインらのショックを観客に伝わりやすくしていたと思う。
犯人の正体などトリック的にも色々仕掛けがあって、ミステリーファンには問題なくお薦め出来る逸品でした。あとこの監督は何時も犯人のことを説明し過ぎないのが本当にいい。火サス的な(そういや火サス無くなるんですね。個人的にはいいことだと思います)犯人の独白なんて間違っても無いし。
『超高層の死角』『愛しのルーシー』など、同監督作に外れは無い。
後者は完全コンピュータ管理の大病院で起こる謎の連続死を描いたサスペンス。
演出も舞台装置も、配役もキャラ設定も凄まじい安定感で、規格品であることに間違いは無いが(そう言う意味で予想外のケレン味は無いけど)、最高級の規格品ということはできる。
今見ると副題の「32ビット」が「ニンテンドー以下かよ!」って感じはあるけれど(笑)。


イイ作品を観れば観るほど創作意欲が湧いてくる。と同時にいい作品を作ることの難しさにも思い至る。
今日明日は東京は雨。
もう少し研究を続けるとする。