SMELL of the BACKSTREET

hellbeyond2005-09-22

『ミッドナイトをぶっとばせ!』('88)を観る。


キアヌ・リーブスにはもっと若い内にコメディに出て欲しかったなあ…と、これを観てまずそう思った。
同性の自分から観てもこの作品の彼はかなりキュートである。『リバース・エッジ』にしろこれにしろ、この時期は感情移入出来る頼り無い青年ったらキアヌ、って感じがある。
監督はホラーの金字塔『ソウル・サバイバー』のトム・エヴァーハート。後年はホラーからは退いてコメディ一色だけど、これを観る限りそれは正しい。
深夜のスラム。路上で目を覚ますタキシードの青年。自分は可愛い同級生とプロムに行く途中では無かったか?しかも警官である彼女の父に12時=ミッドナイトまでに戻るようにと言われていなかったか?
彼女は何処に?思い出せない。街のそこここにあるオブジェクトや出逢った人のセリフから数時間前を順ぐりに回想していく青年。
彼女を助け出すまでは帰れない。走りっぱなしの眠れない夜が始まる !


人気の無い夜の街をじっと見つめる映像センス、夜更かしした明け方の、頭に血が足りてない感じ…浮き足立ったスリリングさも含め、『ミラクル・マイル』に感覚がとても近い。
こういう「先が読めない」「一晩だけの」「笑いのセンスのある」お話って大好きである。
あと自分的には初見のロリ・ローリン(同級生役)、高飛車なキャラ設定と生意気な笑顔が生きて、とても好印象。
アメリカ人の女優を魅力的と感じたのは久しぶりな気がする。


今日の画像は、2000年9.16のロサンゼルス裏通り。