Doomed by the FIXED FRAME? #1

hellbeyond2005-11-19

 恐らく皆さん気になっているでしょう、現在進行中のハリウッドホラー製作ですが…今の所書けるようなことはないのです。
 実際多少のロケハンと美術意匠の考証が行われているのみなので。
 

 という訳で、まだ余裕のある内に、「助監督にはどうしたらなれる?」「大きい作品に関わるにはどうすればいいの?」「どうしたら監督になれるのかな?」という、自分が一番よく聞かれる質問に答えていこうと思います。
 ま、3つ目に関していえば、自分も教えてもらいたいってのってな所なのですが、今の時点で確かに言えることのみを書いていこうと思います。また何処かで質問された際にも、ここを読んでくれって言えるし。
 言わずもがなですが、以下は自分の場合に当てはまった事柄であって、このままを実践して食いっぱぐれるような事態になっても僕はしりません。あ、そうだ。コレから提案する全ての前に一つ。
 生活力を持とう、ということ。
 料理くらい出来るようになろう。副業収入なんかあったら素敵だね。
 そうしたら、彼女に愛想つかされても大丈夫だぜ!
 …違った。
 そうすれば、企画を考える間、食いつなげるぜ!
 御託は以上。ではどうぞ。 


1、助監督になるには


 映画学校に入りましょう。
 いや、マジで。技術云々は学校入ってもクソの役にも立ちませんが、卒業時には何らかのツテが手に入るはずです。勿論、卒業ができればの話。僕みたいに一単位足りなくて卒業一ヶ月前にレポート責めになるようなことは避けましょう。
 僕は日芸三年次に製作したアニメが小さいコンテストに入賞していたので、東映アニメーションへのツテが手に入りました。で、東映アニメの演出さんに実写の製作会社を紹介してもらいました。
 ちなみに普通、製作会社では現場スタッフを雇う際、全て作品契約です。
 つまり、監督を含め、一作品ごとに違うスタッフが集められる訳です(助監督であれば大抵チーフ助監督から電話が入ります)。傭兵みたいなものと考えてもらえれば間違いはないと思います。
 ということで、東映とか松竹とかKSSとかに直接採用の電話とかメールしても無駄です。
 もし本気で製作現場に関わりたい方がいれば、僕に連絡して頂いても構いません。
 タイミングにもよりますが、何処かの現場を紹介出来ると思います。


2、大作に関わるには


 現場やスタッフルームで一日一回「映画がやりたいなあ」と言いましょう。
 僕も実写入ったばかりの頃は2時間ドラマや最低なVシネばかりでした。
 でも自分が(ホラー)映画狂いであること、そして映画持論を機会がある度にぶっていたお陰で、最初の作品でお世話になったチーフ助監督(自分が唯一「尊敬」する助監督、Y氏)から「お前、映画やりたいって言ってたよな?」って電話を頂くことができました。その作品が薗田賢次監督作品『鳶がクルリと』です。
 この作品で監督と仲良くなり、仕上げについたことで製作会社セントラルアーツと東映仕上げセンターに名前を覚えてもらうことができ、『同じ月を見ている』、そして園組ホラーへと続く訳です。
 「映画が好きかどうか」−、これは一番基本的なポイントだと思うのですが、現在日本映画界で働く助監督は、ここが抜け落ちている人が余りに多すぎると思います。
 皆、映画を観ていますか?
 日々の仕事と生活に追われて、灰色のサークルを繰り返していませんか?
 俺は、今でも一年365本映画を観たいよ!


 ハリウッド映画に関して言えば、事情はもう少し現実的になってきます。
 まず英語ができること。
 当たり前ですね。
 でも、日本の助監督で「現場で通用する英語」が出来る人は非常に少ない。
 だから、これがあるだけで選ばれる可能性はとても大きくなります。僕の場合、『同じ月』の現場でエディソン・チャンの通訳もしていたことで、プロデューサーに「英語が出来る奴」という印象を与える機会があったことも幸運でした。
 また、ここでも僕がホラー映画好きであることは大きく助けになりました。僕が関わるのはホラー作品ですが、この話が製作会社に来た時、プロデューサーの方の頭に真っ先に僕の名前が浮かんだそうです。
 僕は、何処のスタッフルームに行っても、自分の机に『サスペリア』か『サンゲリア』か『魔鬼雨』のチラシを貼ります。また作品の映像資料として、スタッフルームになるべく皆が観たことないような隠れた名作を置きます。
 普段から出来る自分の売り込み、これを日常にすること。


 第一弾はここまで。
 次回はもう少し毒を吐いてみようかと思います。