オンザロード
現在進行しているアメリカ製ホラーの状況を少し。
アメリカサイドのチーフADが自分の下に一人つけたがったので、日本側助監督が二人という恐ろしい編成になった。ので、自分が実質的チーフで作業を進めている。
日本側キャストの配役と衣裳を考えつつ撮影スケジュールを切り、フライトの時間に関して国際電話をかけたら次はフォトショップで幽霊画の手直し。
うん。そりゃ忙しいわ。
今回のことで改めて『羅眼』を制作したことの意味を再確認。
同作品にはプロの俳優が出演、FCも大きく関わったということもあり、きっちりしたスケジュール管理と撮影予定の組み方が必要だった。
役者のプロフィールの見方も知った。
制作部的なロケハン、備品の購入、食事・配車も考えた。
こういった経験があると無いとでは、例えばチーフとして制作担当さんや美術デザイナーに話すときでも話の通るスピードが違う。ロケハン写真を見ただけでも言えることが多くなった。何より撮影スケジュールの組み方を何となしにでも考える経験をしておいて本当に良かった。
自主映画を撮っている、と言うと蔑むような目をする映画人には良く会うが、その目の奥に見た無気力は見間違いではないことを、知った。
今回、本当に「仕事」が「仕事」と感じられない。
そして今作品のスタッフ表、ビジュアルエフェクト総監督にロバート・スコタクの名前が!まだ来日前なので会ってはいないが、アメリカサイドのプロダクションルームとのやり取りの中で彼のメアドもゲット。…メールしてえ。
兎に角向こうのスタッフは待遇にうるさい(ユニオンが強い力を持っているから)。
6日働いたら絶対一日休みだったり、バスでホテルを出てから10時間以上働かすとそこから先は時間給1.5倍になるし。
常に現場にバナナとりんごを用意しろ、とか(猿かお前らは?)。
ここまで言われると流石に閉口するが、自分で自分を守ろうという意識がきちんとある、という部分は日本のフリー映画人も見習うべきところである。
ギャラ折衝の折、自分を高く売り込む努力をしていますか?勿論それが出来るだけの技術・知識に基づいた自信がなきゃダメだけどね。
仕事を受ける前にちゃんと台本を読んでから決めていますか?
自分が受ければ他の大多数よりは良い仕事が出来る、という作品を狙って仕事をしていきたい。
そんな作品はそうそうないって?
そりゃそうだよ。
2時間ドラマの仕事だけ受けてれば。