デッド・コースター

hellbeyond2006-02-15

 今日は陽気のせいもあり、やっと再開した園組ホラー『エクステ』のスタッフルームから直帰せずに自転車で保谷→田無→武蔵関→大泉と巡る。


 保谷駅前にはいつも通り、最悪に適当な都市開発の落とし子、名物・帰宅渋滞(本当に酷い)が発生している。駅前になると本当に自転車が一台ギリギリ通れるか通れないかになる歩道(しかも段差無し)を、歩行者とすれ違う度に酷くスピードを削がれながら進むことになる。
 西武線の踏み切りを越え、カーブを曲がり、そろそろ歩道が狭くなり始めた頃、目の前に酷く取り乱したおばちゃんが現れた。携帯で何事か話している。
 おばちゃんの目は車道に注がれている。車道には渋滞。いや、直ぐそこに渋滞の先頭がある。
 先頭の車両の先はガラガラである。そして、すぐその理由は見つかった。
 車道に転がった重そうなバイク。
 そしてそこから5mほど離れた場所に、明らかに運転手であろう人物が転がっている。
 事故だ。
 自力で這い寄ったのか、人物は歩道付近にいたがバイクは道のど真ん中。
 119を終えてもおばちゃんには動かせないだろう。


 仕方ないので自転車を道端に停める。
 車道に出てバイクのハンドルを掴む。
 友人が自分のバイクをして「これ、転んだら自分では起こせないんだよなあ」と言っていたのが頭の片隅をよぎる。
 ため息をつく積もりで、肺に空気を送り込む。
 引く。
 自分に「無理だ」と思う余裕を与えたら本当に起こせなそうだったので、自分にフェイントをかけるようなタイミングで、引いた。
 何とか45度位までは起こし、後は腰に乗せて体全体で持ち上げた。
 ここまではイイが、どうやらタイヤにロックが掛かっているようであり、バイクの事なんてホント何も知らない自分にはどうしようもなくなる。
 しょうがないのでタイヤを引き摺って道の端に寄せる。
 タイヤ減ったと思うけど、運転手さん(後で救急隊員がヘルメットとったら同年代くらいの女性でした)、ゴメン。


 その後は怪我人が轢かれないように前に立って車両を流し続ける。
 仕事でよくやる車両さばきがこんな所で役立つとは…。
 救急車と警官一人はほぼ同時に到着し、その後はやることがなくなったので野次馬に徹する。
 ちなみに自分は事故直後に通りかかったようであり、事故発生から救急車到着までは20分くらい掛かっていた。
 到着後5分ほどで担架が救急車に収納されて警官の職質が始まったので、自分は事故の瞬間は見ていないことでもあり、立ち去る。警官に話すようなことは無いし。むしろ話したくないし。
 救急隊員たちの救命活動中、歩道に溜まって通行を激しく阻害する野次馬たちもさばかずに突っ立って見ていた警官くん、君はどうかと思う。


 何にせよ、職業上専門職の手さばきは見ておいて損はないので、僕に取ってはためになる体験だったといえる。
 運転手も命に別状はないようであったし。


 でも、帰り道はいつもよりちょっとだけ安全運転で帰りました。