怪獣映画…いい。

hellbeyond2006-09-14

 自室でも出来る調べものをする為に会社へ顔を出さずに部屋に籠る。
 だって大映のスタッフルーム狭いんだもの。
 調べものは超理系な事柄。きっと阿呆な脚本家が下調べせずに書き飛ばしたりしなければ一生疑問に思わなかっただろう。
 その内容とは、
 「氷の容器に液状のガソリンを入れて密閉したら、氷は中から解けるのか?」
 「教えて!goo」に登録して質問版に書き込んでみる。
 …やってみるモンだなあ。
 皆さん結構親切に教えてくれた。あとはこの内容をどこまで信用するか。もう少し自分でも調べを続けてみるつもり。


 調べものや電話応対の相棒にと、小さい音量で『ヘルガイバー 魔獣大戦』を掛ける。
 もはや誰も覚えていないであろう、フルCGクリーチャーが全盛になるなんて想像も出来なかった時代の遺物である。
 N.Y.を徘徊して人を殺す魔獣フェンリルの恐怖を描く。伝説上のフェンリルが狼の姿をした怪物であることなどお構い無しに二足歩行のモンスターとして描いているが、それを補って余りある「怪物の力」を絵で見せる努力が好ましい。
 例えばこいつに殴られた人間が床を滑って廊下の端まで飛ばされたり、魔獣の登場に何十人のSWAT(本当は10人そこそこなのだろうがカット割りとシーン飛ばしで上手く見せている)が慌てふためく様をみせるなど、観客が自分の頭の中でこの怪物についてのプロファイルを作る素材を上手く提供している。最近のモンスター映画(自分的にはピーター・ジャクソン製のものすら)は、怪獣が映画中で完成してしまっている。怪獣映画ファンとは、映画館を出てからもその出自や過去などに思いを巡らして楽しむものだ。『トレマーズ2』でグラボイズが古代生物だと判明した瞬間、寂しさを覚えたのは自分だけではあるまい。
 また本作では傷口などの特殊メイクとモンスタースーツ以外の魔獣描写(合成etc.)がないのが寂しいが、その分警察が対処しようとすることの真実味が生まれている。
 スーツの中に入った人物はエンドロールではドーワン・スコットとなっているが、こいつも相当の演技者。劇中怪物が見栄を切るカットが散見され、それがまたカッコよく決まっているのだ。ハリウッド映画的に大仰な台詞を吐く主人公たちとのバランスも取れている。


 本作や『エクストロ2』『スプリット・セカンド』があった'90年代って、正に米製怪物映画ファンに取っての蜜月だったのだなあ…。


 あと、はい。解説文の最新作。『バーバリーヒルズ・コップ』ジャケ裏より。

 いつの間にかレディーの目的は女を得ることに?