Spring Spawn

hellbeyond2007-03-05

 今日も引き続き、窓の外で荒れ狂う春の嵐を肌に感じつつ、日活のスタッフルームで一人江戸時代考証のお勉強。
 今週一杯はメインスタッフはロケハンになりそうである。
 制作進行さんも本編撮影より早く始まった実景撮影の車両運転に回っている。ということは、出勤してくるスタッフはほぼ間違いなく自分ひとりということである。
 中原図書館で借りてきた本が詰まったトランクを片手にスタッフルームを開け、ひとり菓子を食いながら江戸時代の暮らし向きに思いを馳せる。目が疲れたら10分ほど仮眠し、隣のスタッフルームで貰った茶を飲み、また読書。使えそうな本や参考図書欄の気になる書籍はアマゾンで注文。たまに自分のオークションブースやメールボックスを覗く。
 ひとり食堂で食事を済ませ、戻ったスタッフルームの空気が淀んでいることに気付き、開けた窓からは大きく揺れる電線の音と共に、多摩川沿いを走る車の音が一定の間隔で聞こえてくる。
 強い風も、開ける窓を選べば心地よく室内の空気を動かしてくれる微風になる。慎重に調節された適温の液体をかき混ぜるマドラーのようである。
 …気楽過ぎる。


 でも、こんな感覚もきっとあと一週間もすれば、手の届かない遠い世界のものになってしまうんだろう。


 昨日は故あって久しぶりに『スティーヴン・キング スリープウォーカーズ』('93)を鑑賞。
 えーと、これってこんなにスローテンポで観るべき所のない作品だっけ?
 主人公をはじめとするキャラは描き込み不足で感情移入寸止め状態だし、安ーいモーフィング担当者が一人で特殊効果の全てをぶち壊してるし。
 そういやモンスタースーツが『エイリアン フロム・マース』のアルテリオン・スタジオ。とはいえここで披露されているのはあの四つ足エイリアンのような機知のキイたものではなく、同社SFX担当『ナイトメアン』のヒョロヒョロ黒目モンスターに限りなく近いデザインの、乾いたラテックス塊。
 キング秘蔵っ子ってことで期待されたのにその後『バーチャル・オブセッション2』(笑)の彼方に消えたミック・ギャリス監督ってやはり駄目っ子だったのだなあ。
 只、エンヤ担当のメインテーマはうら寂しく、どこかワクワクする『Don't fear the Reaper』系名曲。


 今日の画像は『デッドリー・スポーン2』の海外版DVDジャケ。
 イカしすぎ(イラストの基になってる画像は日本のビデオジャケットと同じようだけど)。