NICE GAMEだったよ!
馬鹿みたいに面白い映画を観た。
タイトルは『ガンバス』('86)。これはB級アクション的悦びを93分の上映枠いっぱいに詰め込んだ男の子の為の「おもちゃ箱」である。
第一次世界大戦中実在したヒコーキ群VS飛行船(『ラピュタ』のゴリアテを想起させる・・・)との戦いを出し惜しみせず見せてくれる秀作ヒコーキ映画。ヒコーキ映画において第一のポイントは飛んでいるように見えるかどうか、即ち「浮遊感」だが、本作ではSFXシーンでのフィックス(固定カメラ撮影)を嫌う職人撮影監督のお陰で、軽くそれを達成。劇中何回かこの映画の飛行シーンがSFXであることを忘れさせてくれる瞬間がある。ここには作る悦び・・おもちゃ箱の中を引っ掻き回して好きなおもちゃを組み合わせ、遊んだ子供時分の楽しさがある。戦争批判をスパイスに留めたのも正解。
近年のB級宇宙SF『ヴェロシティ・ラン』にも同様のおもちゃ箱的感動があるが、本作はキャラ、ストーリーに対する適度な愛着も忘れていない。西部劇に始まり淀みなく戦争映画に移り、そして絶妙のタイミングで西部劇に戻す。ここでは久しぶりに映画の構成で感動させられた。
何回でも観たい。久しぶりに思った。
あと、面白解説新作です。邦画では初めてかもしれない。
一世風靡SEPIA主演の『ナイスゲーム』より。