『カレンダーガール』

hellbeyond2005-01-03

昨晩は東映アニメ時代の友人とその彼女と飲む。
友人は一年ほど前から東映アニメの製作体制、制作の上に立っている人間たちのアホさ加減にうんざりし、辞める辞めないのすったもんだをずっと繰り返している。
(そんな状況で過酷な労働条件の中良く頑張っていると思う…自分は1年半で愛想を尽かしたが)同棲中の彼女も色々抱えていて、去年だけで数回職を変えている。
性格も生き方も灰汁の濃い二人がどうにか上手くやっていけているのが羨ましい。
兎に角昨日は三人で飲んでいい気分でした。しかも奢ってもらったりして。御馳走様です。


今朝は起きてまず『淫獣の森』(’81)を観た。「を観た」というより「というのを観た」といったほうがいいか。このタイトルを聞いたことがある人は’80年代からの映画(ビデオ)マニアくらいだと思う。
B級アイドルのプロモビデオばかり出していた大陸書房が1980円ビデオシリーズと銘打って書店などで売っていたビデオの一本で、確かビデオでーたに広告が出ていたのを見たような気がする。
テイスト的には『ブレアウィッチ』に近く、ビッグフットを探しに山深い地域に探索に入った大学教授とその教え子たちが変なハンター(思わせぶりに出てきて途中で忘れられて居なくなる!)、サスカッチを崇拝する土着宗教、足跡、狂女と出会っていき遂には臆面も無く出てきたビッグフットに凝った殺され方をするというもの。
演出はキレも悪くけして上手く無いが、足跡発見や猿人の実物大偶像、新聞記事、「魔獣にレイプされ、その子を生んだ少女」の登場などC級タブロイド的要素を上手く盛り込んで興味本位の観客の心はわし掴み。
あと殺しのシーンがかなり執拗で、ビッグフットに殺されたという人々の噂を主人公たちが聞く度回想シーンへと入っていくのだが、腕のもぎ取られた傷口やナイフで刺されて血がどくどく流れ出す描写など必ず傷の寄り切りサイズでみせている。何のことは無い、人間の顔入れ込みで血が流れたりなんだりのメイクをする技術が無いだけなんだろうけど、これで作品の陰惨さは20%増しである。
主人公たちが大虐殺されるクライマックスに至っては鋤で串刺し、ガラスで首切り、腹を鋸で裂いて内蔵取り出し&振り回し、ストーブで顔焼きなど「ほんとに猿人?」って感じのビッグフットのエンターテイナー振りに頭が下がりました。


これでかなり落ちこんだので爽やか系をと思い、『カレンダーガール』(’93)
なる映画をビデオデッキへ。主演はジェーソン・プリーストリーと『ジョーズ・アパートメント』のジェリー・オコネル&一名。三人の田舎高校生が卒業旅行としてハリウッドへ赴き、憧れのマリリン・モンロー口説き落とそうと奮闘するというほろ苦系。『アメリカン・パイ』など最近のちょいHネタがメインのコメディ青春もののはしりかな、と一瞬思ったが考えてみれば『おもいでの夏』などこういったセンスってアメリカ映画が本来得意としてきたものかも。
主人公に印象の薄い顔で無名の俳優を持ってきて(本編では更に自己主張の少ないキャラクターに設定されている)感情移入を促すというのは『スタンド・バイ・ミー』でも使われていた手法。
テーマは「行動しなければ道は開けない」である。
ある意味真っ当すぎる主題なんだけど、巻頭からそれを押し付けるでなく観終わった後の気持ち良さでそれを思わせる感じで良かった。
モンローを常にアウトフォーカスか逆光、または後ろ姿などで処理して顔を見せなかったのも懸命な処理だったと思う。
只、ラストのカメラがドリー&クレーンアップで引いていくという王道カットで見事にカメラ、照明、マイクその他スタッフの影が通行人に掛かっちゃってる。
たまにこういうのアメリカ映画で目にするけど、何で気付かないんだよ!?これは一番やっちゃいけないミスだと思うけど…しかもラストカットで。
まあ、本編のカットを上手くコラージュしたエンディングロールと、タイトル通りカレンダーを上手く使ったタイトルロールに免じて70点。これは結構お薦めかも。


…で、何時の間にか午後2時近い。
4日まで撮影所が工事のため停電なので、仕事始めは5日である。
それまでに自分の作品のオンライン編集をある程度形にしておきたい。
頑張ります。