『秘密と嘘』

hellbeyond2005-01-28

時間も時間だし、長い作品なので観たらすぐに寝ようかと思っていたが、
『秘密と嘘』はそんな生易しい映画ではなかった。


クライマックス、主人公の一人が衝動的に自らのため込んでいた「秘密」と「嘘」をすべてその場の人々にぶちまけてしまう。
その人の人生に澱のようにたまっていたそれらが、それ以外の何かへと変わっていく瞬間は(誤解を招く表現だけれども)堪らなくエキサイティングであり、日常にないものを見せるという意味でとても映画的だ。
恐らく私の人生にこの映画のような氷解の瞬間は訪れないだろう。
それでも、このラストに共鳴できたということがとても嬉しい。
それは、その瞬間を望み、そういう瞬間に出会いたい、と自分が思っているのを知ったからだ。
大好きな漫画のセリフ。


「自分を虫けらだと思ってそこから這い出そうとするのは虫けらではない。それは人間だ」。