Girl,Interruped

hellbeyond2005-06-18

『17歳のカルテ』を観る。
丁度最近同テーマを扱った小説『閉鎖病棟』を読んでいたので、どうしても比較対象として観てしまう。
その点を差し引いて考えると、まあ悪くない作品と言えるのではないだろうか。
近年の米国感動作品によく思うのだが、刹那的な感動シーン(例えば患者たちがこっそり病室を抜け出してパーティーするシーン)には瞬発力を発揮する割に、全体を通した主人公の成長、あるいは心情の移り変わりを示唆する出来事の描き方が中途半端なので、どうしても後半の失速が生まれてしまう。
例えそれが一つの出来事として現実的であったとしても、ストーリーのあの位置に主人公の日記暴露シーンを入れる必要があるのだろうか。しかも殆ど『ジェイソンN.Y.へ』な映像で。
また、予告編で受ける印象よりかなり陰惨な作品であるので、未見の方には忠告しておく。
アンジェリーナ・ジョリーを初めて魅力的だと感じたので、個人的には悪くない作品だと思うけど。


昨日観た『恋はデジャ・ブ』(某I先輩に勧められていて中々観なかった作品である。申し訳ない)でビル・マーレーの魅力を再発見したことも特記しておく。
作品自体も大傑作。こんなに映画的快感に溢れた作品を久しぶりに観た。
ヒロインを口説いていく過程のあの笑いは他の媒体ではけして表現不可能。
毎日を「同じように続く日常」と思い込んで惰性で生きている人に観て頂きたい。
って俺じゃないか。