lost found

hellbeyond2005-07-25

部屋の近所のレンタル屋が閉店セールをやっている。
ここが閉店商品開放やればなあ…と常々思っていた店である。すぐ近くにツタヤが出来て4年。
四年間良く頑張ったと言っていいだろう。
しかしここ半年で閉店セールに出くわすのは3つ目である。
セールそのものはコレクションも潤うし、オークション出品も出来るので発見時はそりゃ喜ぶのだが、埃を被って日焼けでタイトルが読めない、店員がボーッとビデオを見ている、下手すりゃ夏期でもエアコン無しの店が無くなっていくのって寂しい、と思う。
'80年代以前の映画少年たちが場末の三番館や深夜テレビで出会っていた映画たちに、僕たちバブル期に少年だった世代はビデオ屋で出会ったのだ。
この日記にもたまにアップするようなセンスの無さ過ぎるジャケットたち、人名も満足に日本語表記出来ないような英語力を持つ人たちによる恐ろしい邦題。そこには名作も駄作も統べて「センスなく売る」という一つの無差別があった。だからこの時期(バブル期)のリリース作品が多く並んでいるビデオ屋程、棚を見て回るのが楽しいのだ。そしてツタヤの問題は正にそこで、新たに開店したチェーン店にはこのような作品たちの居場所がないのである。


最近のB級は、作り手たちが「我々はBを作っている」という自覚=諦めを持って製作している。
同時にジャケットも明らかにA級に比べて見劣りするものである。
ジャケット表に俳優の顔がないこと、明らかにチープなデザイン(これだけはいかにフォトショップが導入されようと変わらないらしい)、一見カッコイイが良く考えると浅いタイトルセンス…そして一番の問題は、近年のB級はセンスのなさに「個性」がないのである。
勢い、そんな作品で埋め尽くされているツタヤの棚は短時間でチェック出来るし、ビデオ屋ジャンキーにとって圧倒的に「魅力がない」のである。
細かくジャンル分けしてコンピューター管理、回転しない旧作は即ジャンク。
乱雑で見辛い棚を目を細めてチェックし、ずっと探してた作品を発見する、あのワクワク感は失われていくのだなあ。
ツタヤなら、まず店員に聞いちゃうもんな。


「『カリブゾンビ』ですか、当店の在庫にはありませんねえ」


…。