シン=罪

hellbeyond2005-10-04

シン・シティ』を観る。


この作品に関しては、予告をネットで観た時から「アレやべえ!」を連発して知人に触れ回っていた。
白黒画面に部分的に着色する、というのは「画面により深く監督の意図を封じ込める」ための手法としては王道であるし、黒澤明など天才的監督が用いた時の映像的喜びは自分の体がしっかり覚えていた。
よって、画面内情報の整理に瞬発力を発揮する(『パラサイト』でジョシュ・ハートネットの運転する車の車窓に現れるファムケ・ヤンセンのバックを真っ暗にした時は震えた)ロドリゲス監督の名前をスタッフに見た時、自分の中でこの作品は「傑作」としてインプットされてしまっていたのです。
…ごめんなさい。
はっきり言って、お勧めできる作品ではありません。
画面部分着色は、作品のテンションを盛り上げる為の効果としては全くもって昇華不良。同様の効果ならまだ『クリープ・ショー』のほうが面白かった(し、早かった)。
アメコミタッチの無節操アクションもあるにはあるけどどれも単発で、全体的には雪だるま式には「転がらない」シーンの連なりでしかない(オムニバスだから、という言い訳には「じゃ、『フォー・ルームス』は?」という返答をしておこう)。大体アクション映画としてはオフビートすぎでしょう。『レジェンド・オブ・メキシコ』の観客を引っ張る力の欠けたストーリーにもびっくりしたが…。まああそこまで酷くは無いものの、これが『フロム・ダスク〜』を撮った監督だとすると悲しすぎる。
大体シン・シティの設定や風景には全く独創性が感じられない(ついでにキャラにも)。どうやらこの町自体がアメリカってことみたいだけど、まあオリジナリティが欠如してるという点では確かに。


所で劇場や予告でかかってたカッコいい曲、劇中では流れなかったぞ?
日本オリジナルのでっち上げ曲?


追記。サントラを試聴したが上記の曲はやはり未収録。別映画の曲かな?