シアターの怪人

hellbeyond2005-11-02

『13ゴースト』
何なんだろうこの激烈な眠さは…。
開巻10分余りで座椅子を倒して爆睡。
この投げやりさはただ事では無い。
ゴーストシップ』がヒドイと知っていたのにまた手を伸ばしてしまった自分も悪いが。
もう内容を云々する気にすらならない…。


で、毒を喰らわば…てことで自虐的センスで未見ビデオ群から『オペラ座の怪人』を引っぱり出してデッキへ。
といってもこれガストン・ルルーの名作の何度目かの映画化ではない。
原題は『Phantom at the theatre』。下敷きにしてるのは確かだけど、下町の名画座に巣食う怪人(元上映技師)ってこっちのほうが泣ける!
映画館経営が夢だったしがない靴のセールスマンが競売で安く手に入れた映画館。
廃墟と化していた映画館を掃除していく辺りの探検感覚も忘れていない。
館主の娘を誘拐して深夜の映画館でサイレント映画を見せる怪人。
「みてごらん、君だよ…君なんだよ」
娘は泣くばかり。
「あの唇…(娘を見て)キスしておくれ」
って言い出すあたりから変態性を発揮してン?って感じだが、ちゃんとクライマックスは高所での立ち回りの後落下する辺り、生真面目な怪人である。自分の仕事がわかっている。
しかも落ちた後の見る影もない姿は結構衝撃的。小間物が床に広がり、目がギョロギョロって(特殊効果は『ディーモン』のスティーブ・ニール!)。
事件が片付いた後、館主はぽつりと一言。
「靴のセールスマンに戻ろう…そっちも自信がある」


…このシーンが一番怖かった。