人形使い

hellbeyond2005-11-13

やっとこさ『パペットマスター』シリーズを5まで鑑賞。


ながら観でも、途中止めて観ても全く問題ないシリーズなので殆ど半年掛かってしまった。
ストーリー上連作となっている4、5は監督も同じである(自分には『パンプキンヘッド2』が初お目見えであるジェフ・バー)。回を重ねるにつれて人形技師たちの操演技術が上がり、ストップモーションアニメの使用頻度が段々減っていくのは悲しいが、逆に一般観客に訴求する基本的なポイント…物語紡ぎやカットワークは向上しており、前半期フルムーンスタジオに思い入れのある人間としては観ていて楽しい。


思えば自分が自我に目覚めた丁度その時期に(自分は高校一年だと思っている)活力のあったB級スタジオがフルムーンであった。彼らの映画製作に関する考えには多々影響された。
それはビデオスルーがその殆どを占める彼らの作品群が持つ、ビデオならではの妖しい如何わしさに自分が強く共感した、というのに端を発している。


ホムンクルス』『ドールズ2』『ペンデュラム』…
妙に統制の取れた「映画内モラル」を彼らの(前期)作品から感じたことはない。


パペットマスター5』について言えば、前二作に比べてストーリー上の起伏に乏しく、物事の進行が遅い(悪役の手下が死ぬシーンに5分も掛けちゃ駄目)のが難点だが、ここぞというシーンでのアニメーションの上手さ、エレベーター等々セット撮影の面白さを使いこなした場面展開、そして雰囲気のある照明は堪能した。監督ジェフ・バーは最初がアレなだけに本当に印象が悪いのだが、今シリーズや『アーバン・ハーベスト3』(原題は『ザ・スケアクロウ』)での職人的手腕は悪くない。最近は名前を聞かないひとりだが…。
この業界、暫く名前を聞かないと思ったら野垂れ死んでいたというのは良くある話なので、少々心配である。ロスの片隅で飲んだくれていて欲しい。
人の心配をしている場合ではない。
明日が脚本の締め切りである。


完成はしている。
明日に掛けて、徹底的な確認・修正作業である。