最終電車に遅れるな
『0ジ34フン』を観る。
そのラストでは黒沢清の『蛇の道』と同じく、生存者がカメラに敵意を持った目を向ける。
「彼」のみが画面の主人公になるシーンの存在も含め、観客に向けた意識の強さがこの作品の面白さだ。
彼の初登場カットでは画面が一旦黒に落ち、ふっと浮き上がるように大写しの無気味な顔が現れる。
その束の間の暗黒の意味はとてつも無く大きい。
劇場では観れなかったが、部屋を暗くしてヘッドフォンで観ていて良かった、と思った。
ふいに突き落とされたその黒の中で、観客は一瞬、「当事者」になる。
繋がっていないカットが散見されたので編集技術は誉められないが、きちんと恐怖醸成について研究したふしがあるのはとても喜ばしい。
良く考えれば大して脅威では無い相手を敵に設定しながら、地下鉄の廃線、下水処理場、廃病院などめくるめく地下世界自体を「恐怖」の対象としたのが勝因か。別に新しい題材(敵)ではないのを作り手も重々知っていたのだろう。『-less』にしてもこれにしても、研究の跡のある作品が増えてきたのは喜ばしいことだ。
また地上世界の描写を廃したのも、この上映時間なら正解である(1カット大通りの描写があるが、タクシーを拾おうとする主人公以外はフォーカスを大胆に外して「地上」であることを強く感じさせない)。
只、主人公に「こらこら、そこはトドメさしとく所でしょう」って突っ込みたくなる瞬間が二回ほどあった。
惜しいなあ。
さて、書くべきことは書いた。
ここからは愚痴。
冬、飽きた。
厚着に飽きた!
「寒い」って繰り返し言うのにも飽きたんだよ!
別にそんなに寒くも無いのに電車の中でもマフラー巻きっぱなしで首はチクチクするし、重ね着で肩が上がらなくなるし、暖房つけっぱなしで部屋の中は落ち着かないし。クソ、今ヒーター止めてやった。ざまあみろ。
もう来週くらいにはいきなり夏でもいい!
何で騙しだまし夏になるんだ?お陰で毎年気付いたら最高気温35度とかになってて、準備も出来なくて、じりじりとした焦りに背中睨まれながら走るはめになる。
Tシャツが張り付くくらい思いっきり汗かいて、朝、真っ先に顔を洗いたくなるような湿度の中に居たい。
それで俺は丸い石がごろごろの狭い海岸へ行こう!
今度は飽きるまで暑いって言って笑おう!
もう寝る!そしたら冬が一日減るから!