蝉。
仕事の電話を二つ連続で断る。
最初の仕事でお世話になったセカンド、チーフコンビからの電話。
でも、今、書きたいけど途中で止まったままの脚本が自分の中に溜まりすぎて、とても苦しい。だから、断った。
一つでも、エンドマークまで書ききるということをしないと、本当に脚本家/創る人間としての自分に自信を失ってしまいそうだから。この危機感はきっと就職してからずっと感じていて、それが強くなりすぎてもう日常的な感覚にまでなってしまっている。
東映アニメを辞めたとき、自分はこの感覚に衝き動かされていた。
のだったらどんなに自信になっただろう。
あの頃、ああいうタイミングで自分にいろいろな出来事が起こらなかったら、きっと今ここに居なくて、まだ東映アニメのトレス台に向かっていることだろう。
今、必要なのは、自分の中にある物語を、人に見せられる形にすること。
そして、それをしている最中、怠惰でない、自分が許せる生活を維持すること。
あ、いつの間にかこの先一ヶ月の目標が決まった。