長野からの帰還
自分にとって初めてのオール地方ロケ作品が、明日で終わる。
(本当のところを言うと27日に一日だけ玉井病院で東京ロケがあるが、こんなの2〜3時間で終わるから計算外)
撮影の最終日になっての日記だが、別に忙しかったわけではない。今日になってフロントでLANケーブルを借りられることを知っただけである。
14日間、割とすいっと過ぎた気がする。
考えてみれば大泉に住み始めてから、こんなに長い間部屋を開けたのは初めてである。
部屋に帰ったときの足裏に染みるような安心感を思うと、少しだけ、ホームシックのような切なさを感じる。
ともあれ楽しいロケだった。
最初の三日間は千曲川―須川湖ロケでいやっちゅうほど毛虫に出会い、旅館の隣の無人の土産屋(結局この店の店員を一回も見ていない)の賞味期限が一年前に切れた「ときめきキャンデー」にびびり、撮休日出掛けた小諸市のビデオ屋では『ブルース・リの復讐』という謎のビデオを購入した。
美術的にも演出的にもさほど大きな問題は起こらず、忙しすぎてボールド(カチンコ)を入れるタイミングを逸するというようなこともなかった。
穏やかな撮影。
そんなのもたまにはいい。