無残
『スピーシーズ3』を観た。
『2』で味わった一作目をすべて無駄にしたストーリー、ピーター・メダック監督の完璧なボケ振りに懲りていたにも関わらず、近所のビデオ屋で投げ売りされていたDVDを買ってしまったのだ。
一作目はギーガーがデザインしたフルCGのクリーチャー、二作目はそれをヤケクソで四つ足にしてでっかくしたクリーチャーが呼び物として登場したが、今作では…太っている。
いや本当に。
低予算になって薄い素材を使う金がなくなったのか、出てくるクリーチャーが全てコロコロしており、ドッコドッコ不安定に歩いたり走ったりしている。しかもそれがワイヤー丸出しの動きで高所へジャンプしたりするからものすごい違和感。
あと、デザインが二作目、三作目と徐々にギーガーのデザインから離れていっているのが良く分かる。最初は洗練されていたデザインが、凡人の発想に侵食されて変わっていく変遷の様子が、このシリーズを見ればつぶさに観察できる。コピーを繰り返してディティールが無くなっていく現象のイイ例だ。
この作品のクリーチャーを見て、小学校の頃近所の駄菓子屋で掴まされたドラゴンボールけしゴムのニセものを思い出した。
…最近、SFって続編がビデオスルーになることが多いけど、これは出色の駄目さです。