四日ほど前に、根府川の岩場で泳いできた。
海までの道のりは、ぼろぼろのコンクリートや古い木造家屋、魚屋、不自然に新しい郵便局が並ぶ。
それら全てに、僕が生まれる前からずっとそこにあり続けた風情が濃厚に漂い、そうか、これだ。今書いている脚本に入れるべき要素。
こういう風に、「ここに行かなきゃ手に入らなかった脚本の一部分」ってすごく愛おしい。
それは自分という殻の外から得たものなんだけれど、逆に外にも自分に近い、いや、自分の匂いに近いものが転がっていることが嬉しい。
その嬉しさを映像の上に写し取っていく。
写経する人って、きっとこんな気分かな?