駄目クラウン

hellbeyond2007-02-08

 とりあえず仕事が終わった。
 今回も二時間。刑事もの。とはいえ今回は上司の助監督の方々が有能&知識が凄いので勉強にはなったかな…。それから劇中のPC映像を自分が制作。これもまあ楽しかった。


 今日は久しぶりにB級映画鑑賞の日と決め、先日購入して観ていなかったDVD『ラッツ』と『ピエロの館 マニアック1990』を手に取ったものの…。

 同じタイトルの映画が何本あるんだか(調べた限りイタリアのヴィンセント・『ヘル・オヴ・ザ・リヴィングデッド』・ドーンのと、ドイツのCGネズミが結構凄いTV映画と、そして本作)な『ラッツ』は、近年の駄目パニックの轍を意識して踏んでいるとしか思えないルーチンぶり。考えてみたら監督のジョン・ラフィアは『MAX』でも動物ホラーで失敗してるんだから、引っかかる自分が悪いのか?
 ネズミはせいぜいコブシ大。登場する人々が如何に怖がって顔を引きつらせようが、こちらには全くもって緊張感が伝わらぬ。一応フルモデルCGでネズミに表情作らせたりはしているものの、ならどうして同じ技術を他の生物に使わない?
 本作でも繰り返される、人間の高慢さが事態を悪化させるなんてのに喜ぶ人間がいるとも思えないし、この脚本を改訂せずに撮影に入ったスタッフのやる気のなさには本当にため息が出る…。その状況が容易に想像できるからこそ。ネズミで怖がらせるなら、『巨大ねずみパニック』くらいはやらなきゃ駄目。地下鉄のパニック描写など共通点は多いのに。

 
 最近観たホラーの中でピカ一『ヒューマン・キャッチャー』のヴィクター・サルヴァ監督デビュー作と思われる『ピエロの館』には相当に期待したけど、これも…。
 田舎町を徘徊するピエロ殺人鬼という設定で言うなら『キラークラウン』のほうが思い切ってピエロというキャラを全面活用してるし、一種異様なピエロの不気味さを描くなら『IT』に敵う作品は金輪際ないだろう。そうすると本作に期待できるのはスラッシャー映画としての意外な殺し方や追っかけのスリルのはずなのだが、フレーム外で処理したり首をひねるだけなど悉く早送りボタン推進のためのシーンと化している。
 精神病院の脱走患者がサーカスのピエロを殺し、衣裳を奪って人々を殺しまわるという設定だが、一番の問題点は、殺されるピエロは風采の上がらぬオヤジ顔、成り代わる殺人鬼が若いスキンヘッドのため、すり替わる前のほうが絶対的に「ピエロの顔が怖い」ということだ。こんなの衣裳合わせのときに気づいておけよ。


 引き続き良いB級を探そうと思う…最近は仕事から帰ってきた相方と共に夜いい映画を観る習慣がついたので、自分ひとりのとき駄目映画に当たっても…まあ…大丈夫。