GRAND ZERO

hellbeyond2007-02-20

 オータニTのライヴを観に、関内へ出る。


 このバンドの前身バンドのそのまた前身の頃から、わたしは彼らを観ている。ここの所仕事や私事やなんやかやで小屋から遠のいていたのだが、ふと思い立って、今日は久しぶりにあの振動の中に身を置いてきた。何処か引っかかっているような、たたらを踏んでいるような感があるバンドだったと思う。それが魅力まで昇華しきっていないところにもどかしさを感じていた。今回もそれが肥大してるのでは、という一抹の不安を感じながら、乗り継ぎを重ねた。


 しかし。
 「見ていて気持ちいい」。
 今回の感想は、この一言に尽きる。
 私が見ていなかったこの三年間の間に、そう感じさせるまでに変化した演奏を観て、私は自然に体を揺らしていた。
 「跳ねる」気持ちよさを人に伝播したい、という想いの強さ。それはいとも簡単に観客に見抜かれてしまうものだ、と私は思う。いくら激しく奏で舞台上を跳ね回ったところで、結局の所その胸の内に諦めがあれば、どこか空しい殻騒ぎとして観客の目に映るだろう。
 ステージ上の四人の目の中を探しても、そんなものは見当たらなかった。
 何処に捨ててきたんだろう。何曜日に出せば、それを回収して行ってくれるんだろう。
 それをぜひ聞いてみたい。
 仕事をしながら、一人暮らしで、創作活動を続ける友に。