残酷のこと

hellbeyond2007-03-09

 今日、出掛けにポストを覗いたらアマゾンで注文していた『ショック・残酷大全科』が届いていた。
 B級映画のジャケ裏解説などでも客の興味を無闇にそそる名文を多く遺した(生死不明)日野浩一氏による昭和53年発行の一冊。
 自分はこの人の『ホラー大全科』と『死霊のはらわた』でホラーに目覚めたので、中原昌也氏も絶賛のこの書には可也の期待を寄せていたのである。夕食後早速包みを紐解いたが…頁の半分以上が残酷記録映画の紹介に裂かれ、期待していた名文も基本的に「アッ!人が食われる!」みたいに突発的なカンジか、『ホラー大全科』と同文かのどちらか。
 大体子供向けの本にも拘らず、平気で検死台の上の死体とか事故死した人間の写真とか載せてるのも最悪。モノクロページだから生々しさは余り無いけど、白黒だからこその「真実性」が子供の逃げ場を奪ってる感じ。
 確かにタイトルに謳っている内容とズレはないし、逆にタイトルを見て(多くは親が)購入している訳だから受け手に買う、買わない(=見る、見ない)の「選択肢」はあるわけで、買った自分が悪いとも言えるけど。


 個人的には'80〜'90初頭まで出てた死体ビデオは大嫌いで、あんなのはアダルトコーナーの隅にでも置いて欲しいと思う…てなことをつらつら書いてると頭の固いホラーマニアみたいだから止める。
 でも、近年DVDで再発売されてる『ジャンク』シリーズとかはジャケットがスマートで図版も少なくよいと思う。あれは死体恐怖症の自分みたいな人間に優しい。
 タイトルを目で追っていて、ふいに「見たくないもの」が目に入ってしまうことも無い。


 死体ビデオとホラー映画の違いって、裏ビデオとピンク映画の違いに例えると判りやすい。
 でも、両方とも、べっつに興味ない人間には「同じもの」なんだろうなあ。