探し物
現在執筆中の脚本の参考のためにHP『精神医学用語辞典』を読んでいる。
眩暈がするほどの名文揃いなのだが、筆者にとっても円熟期だったのだろう、文章量がとにかく膨大。
でもこの山を越えなきゃ。
可能な限りの情報の上に立って書くこと。それが最低の礼儀だろう。
ルポルタージュ『ルポ・精神病棟』読み物『閉鎖病棟』、マンガ『ブラックジャックによろしく』…。
様々な資料を読み漁り、精神を扱う、ということの草原を掻き分け、奥深くまで入り込んでいく。密生した草で前方は30センチほど先までしか見えず、突然現れる苔むした彫像やぬかるみに怯みながらの行軍。
一番恐ろしいのは、ふっと自分自身の顔に出くわすこと。
でも、奇妙に安心もする。
そこが何処であれ、見失っていた自分を発見できたからか。