いいものはいい。

hellbeyond2007-07-17

 アマゾンで注文していたCDが二枚届く。


 安全地帯の「カメレオン」
 浜田省吾の「MONEY」が聴きたかったんである。
 二枚とも目的の曲以外はベツニって感じだが、それでもいい。
 前者は一年前の仕事、後者はツイこないだの時代劇で制作進行さんの車のカーレディオで聴いたもの。あんまり良くて「これ誰さ?」ってきいておいたのである。で、時間が出来た今、はしかみたいにもう一度聴きたくなって、深夜のネット注文となったわけだ。
 浜田省吾はそれまで意識して聴いたことはなかったのだが、確か地元でバイトしてたビデオ屋の店長が好きだと言っていた記憶があり、自分的には余りいい印象ではなかった。
 それでもそんな彼の印象や人となりと共に味わい深い一曲だ。
 こういう楽しみ方が出来るってことは、自分も随分あのバイト先を「肥やし」として了解できるようになったということだろうか?なんて思ったりして。


 本日は購入後ずっとお蔵入りしていたアンソニー・『ヘルレイザー3』・ヒコックス監督の『ワーロック・リターンズ』(’93)を鑑賞。
 『ゴッド・アーミー』のウォーケンっぽいジュリアン・サンズの扱いが気持ちイイ。
 クライマックスのちょいヘボSFX駆使のバトルも、昔懐かしい(観た後一応劇場公開作品だと気付いてちょっと得した気になるタイプの)’90年代初期のオカルトホラーって感じ。
 無味乾燥なジャケットで提示している内容より全然高いスプラッタ濃度も。ボブ・キーンだからなあ。
 これ、結構お気に入り。


 よしながふみの『フラワー オブ ライフ』読了。
 ウソをつくということ。
 言葉にすればそれは「誰かを騙す」ということと容易く結びついてしまうけれど、きっと「何か」を抱えたままでいることを決心した人の心には、計り知れない苦悩と絶え間ない揺らぎがある。そして、客観的な、誰の目にも明らかな「本当のこと」を追求するってのは、そんなに美しいことなのかな。昨日ポール・オースターの『スモーク』を再見していて思っていたことを、今日また思った。
 私たち何かを作る人間は、ウソをつくことで、人に何かを伝えようともがく。
 ずっと気になっていた。何かを作ることで、変えられることなんてあるのか?
 だって自分の家が一時陥っていたような抜き差しならない状況の中で、誰かの「作り物」がそれを変えられるのかって、それに「イエス」って自分は言えない。
 でも私達のウソがこの作品『フラワー オブ ライフ』のウソように否定的な何か(だけ)としては存在していないのなら、もしここがそういう世界なら、まだ何かやりたいってそう思う。
 だから、この作品の中に沢山の料理が、同人誌のような文化が、高校生の生活が、そういった有り触れたものが描かれていて本当に良かった。


 今日の画像は、休み中に訪れた「夢見が丘動物公園」付近の住宅街で見つけた時空の割れ目。